前回に続きトミカの現代版チェックチェント、電気自動車の500eです。2022年に発売された比較的新しいトミカで、また話題の電気自動車である事、またこの可愛らしいスタイル故に、トミカではモデル化に積極的だったと思われます。なおガソリン車の500のモデルが2016年に廃盤となってから、6年のブランクを置いて発売されたので、500とは全く別のモデルとなっています。

電気自動車について、今現在は様々な面から賛否両論があるのですが、この様な街乗りをメインに使う小型車や宅配便及び郵便のアンカーを担う商用車等は、電気自動車が最適の活躍舞台と私は感じ、このクルマの存在する意味は大いにあると思います。また最近スポーツバージョンの500eアバルトも登場。これはEVモータースポーツのさらなる盛り上がりを予兆する、古来からのクルマ好きも気になる電気自動車として注目です。

近年、旧車をEVに改造する話をよく聞きますが、旧車オーナーとして私はあまり好ましく思っていません。やはり『あの頃』のクルマはそのままのスタイルで1台でも多く後世に残す事が大切に思うからで、例え動かす事が出来なくなっても文化遺産として、当時の姿で次の世代に伝えて行く事が肝心なのではないかと思います。また『銀河鉄道999』の話(リアルタイムでわかる方々は50歳代後半以上か?)ではありませんが、機械化人間の様に血が(オイル)が通わなくなり、エンジン音も奪われた旧車は、もうカッコだけのハリボテ旧車モドキに成り下がった様にも感じます。そう言った面からも旧車をオマージュした『今車』である500eの様な電気自動車は、私の様な本来の旧車オーナーも歓迎すべき車種で、明らかに現代のクルマなので、この先の時代に存在価値が大いにあると思うのです。

モデルは先述べの様に500とは全く別の金型を興して作られています。非常に出来の良いモデルで、開閉アクションは無いものの、プロポーションは最高で、更に窓が全て抜けている事も大いに評価出来るところです。また500e独特の特徴的な灯火類も縁取りで再現されており、印刷表現の良さが表れた好例と言えるでしょう。

この個体は2023年の正月に量販店の新春セールにて、3台1000円で手にしたうちの1台で、従って初回特別仕様のダークブルーは所有していません。新製品として新発売された当時、ミニカーとしては特に購入予定にしていなかったのですが、この通常仕様の出来の良さを見ていると、新発売時に初回特別仕様と共に買っておけばよかったと少々後悔しています。またこのモデルも廃盤の告知が成された様で、アバルトも登場して正にこれからと言う車種だけに、あまりにも早い生産終了が悔やまれます。出来ればアバルトに改装の上で再登場して来て欲しい1台です。

2022年3月発売 発売価格 550円(税込み価格)