1979年に発売されたトミックス製DF50形の初代製品です。DF50形は国鉄の動力近代化計画における、初期の無煙化に貢献した形式でした。ディーゼルエンジンで発電した電力でモーターを回して動力とする電気式ディーゼル機関車で、北海道以外の非電化亜幹線で主力機として活躍しました。しかしエネルギーの動力化までの効率が悪く、モーターの搭載分で重量が重たくなる電気式は、絶対的な出力も小さくなってしまう為、大型トルコンバーターが開発され、次期主力機のディーゼル機関車としてDD51形が進出して来ると、徐々にDF50形は西日本に集中する事なります。特に四国では大量に活躍し、最後も四国で終焉を迎える事になりました。

DF50形は搭載エンジンにより、大きく2つに分類され、0番代が三菱系のスイス・ズルツァーエンジン、500番代が日立・川崎系の西ドイツ・マンのエンジンとあり、鉄道車両用のディーゼルエンジンの製造に、外国の技術提携を受けなければならなかった事を物語っています。スタイルは殆ど共通ですが、エンジン音がそれぞれ特徴的だったので、形式ナンバーを見なければ、そちらで判別する方が簡単でした。

モデルはトミックスとしても比較的初期の製品で、先ずボディの構造が特徴的です。本体と正面のスカートが一体で、屋根のディテール部分のみ別パーツを組み込んでいます。更に驚く事にボディサイド下部にあるパイピングも一体で表現されています。しかし一体型スカートのディテールもイマイチ。塗装だけで表現している事が丸わかりで、メリハリが無い仕上がりとなってしまいました。Mカプラー装備という事もあり、切欠けも縦方向へ大きい目となっています。動力は当時のトミックス製車両のスタンダードであるスプリングウォーム方式を採用。少々賑やかですが、安定した走りを今でも披露します。

当時のトミックス製の車両は、様々な試みを多数採り入れでおり、試行錯誤を繰り返していた時期でもあり、この様なボディ構造も1つのチャレンジだったと思われます。

この個体は私が1984年から所有して来たワンオーナー機で、走行距離もかなり多い部類に入ります。初期の頃は九州や山陰に入るブルートレインのアンカーとして活躍、近年はマイクロエース製の10系客車やグリーンマックス製のキットを組み立てた旧型客車の先頭に立ち、製造後40年を超えた令和の現在でも元気に活躍を続けています。

1979年発売 発売当時価格 3.800円