
前回お送りした『月刊ミニチュアカー』誌の特注品の、ロゴマークが入る前のプロトタイプモデルです。トミカのバリエーションを紹介する本にも掲載されていない仕様で、正式なバリエーションとして扱うべきか否か迷うところですが、実質的に市場に出ていないモデルなので微妙な存在です。
入手当初から方々に聞いたりして調査したところ、やはり工場から出たそのままの姿で、もしロゴマークを除去したとしたら、よく見ると薬品による摩擦跡があるのですが、この個体はきれいな上塗りのままであり、何も手を加えていない状態です。
これは私の想像の範囲の話ですが、恐らく『月刊ミニチュアカー』誌200号記念モデルを発売した、当時の可堂玩具から試作品が一部のコレクターの手に渡ったのではないかと思います。可堂玩具も無き今では当時を知る方の少なく、あくまでも想定の範囲の話ですが、強ち間違いでは無いと思います。それならセットのもう1台、タイプ1ビートルでも同じ様な試作品が流出したと大いに考えられるので、存在するなら見てみたいものです。
モデルとしてはホワイト単色のシンプルな仕様で、トミカのT2としては珍しいスタイルです。元々特注モデルとしてロゴマークを際立たせる仕様だったので、本体はシンプルな方が良くのでこれで正解の仕様だったと言えるでしょう。
何れにせよミステリアスなモデルに違い無いので、当コレクションの中でも、特異な存在として位置づけているモデルです。
1985年9月製作 非売品

