昨年私が購入した高額モデルのもう1台が、マツダ創業100周年記念として発売された、初代マツダボンゴバンのモデルでした。

マツダは自社の創業100周年記念として、各種グッズを製作販売しましたが、その中にモデルカーも含まれており、最初の乗用車であるマツダR360を皮切りに、続々と1/43スケールモデルを発表。それは一部の商用車も含まれ、初代ボンゴバンもマツダの歴史上、エポックメイキングな車種としてラインナップに加わりました。

1966年式をプロトタイプとしてモデル化。すなわち、800ccのエンジンを搭載していた当時の最初期型となっており、この最初期型は恐らく実車が殆ど残っていない為、貴重なモデル化の中においても、更に貴重な今回の製品となっています。

モデルの製造はスパークで、流石に実車メーカー直販のモデルだけに監修も十二分に行き届いており、ほぼ完璧な仕上がりに、正に魅入ってしまいます。

初代ボンゴバンのモデルと言うと、先行していたハイストーリー製しか無い為、直接対決の様な比較になるのですが、一見しても今回のモデルに軍配が上ります。全体のシルエットは両車共に甲乙つけがたいのですが、絶妙なカラーの色調や細かなディテールは、当時の実車の資料をふんだんに参考に出来る、実車メーカーの強みを見せつけています。例えばスライドドアのレールの表現、これは左クォーターウインドウの上に隠れて見え難いので、ハイストーリー製では表現されていませんでしたが、このモデルではちゃんと表現されており、正にメーカーの威力を見た気がします。またタイヤ及びホイールのハイトも完璧で、更に回転する事もミニカーとして大きなアドバンテージとなっています。

一方で、今回のモデルが1966年式の初期型800cc、ハイストーリー製が1968年式にマイナーチェンジを受けた1000ccと、私の目から見れば両モデル共に存在価値があるもので、並べて見ると細かな違いを見つける事が出来ます。フロントウインカーの色や各エンブレムの違いなど、モデルメーカーの作風と共に見較べると面白いものです。

実車も手にしたかった1台ですが、もう私には残された時間も財力も無い為、せめてミニカーだけでも手元に置きたいと思っていた車種だっただけに、ハイストーリー製そして野村玩具製ティントイのトラックと合わせ、手にした時点で当コレクションの殿堂入りしている1台として、大切に温存して行きたいと思います。

2021年3月発売 発売価格 9.570円(税込み価格)