引き続き懐かしの商用車コレクション、今回のモデルは三菱ランサーバンで、初代の後期型をプロトタイプに、街の事務用品店仕様としています。

懐かしの商用車コレクションでは、これまでにトヨタカローラバン、日産ADバン、マツダファミリアバンと、大衆車をベースにしたライトバンを続々とモデル化して来ましたが、その殆どが初のモデルで、いかに昭和のライトバンの種類が多かったのかを物語っています。そこに今回の三菱ランサーバンが加わり、シリーズとして更に魅力を増したラインナップに拍手喝采です。カローラバンやADバンは数が多かった事から、ラインナップに登場する事が大方予想されたのですが、ファミリアバンやこのランサーバンは正に想定外で、商用車コレクターとして素直にモデル化が嬉しい車種です。

モデル本体の方ですが、先ずはプロポーションが良好で、昭和のライトバンのスタイルをよく再現しています。特に腰高感のあるサイドラインは、この頃のライトバンにありがちな雰囲気で、このランサーバンも例外ではなく、クウォーターウインドウに向かう事にウエッジシェイプがきつくなり、クウォーターウインドウは最小限の面積となっており、モデルもその辺りを良く再現しています。

初期型に比べると少々インパクトの弱いフロントグリルや、ワゴンを意識したリアのガーニッシュもソツ無く再現、またホイールキャップも現物の特徴をつかみ、簡潔にスッキリと表現しています。しかし塗装に現実味が無く、確かにシルバーメタリックなのですが、商用車にしては光沢がキツすぎ、まるでメッキ調スプレーを吹き付けたみたいになってしまいました。これなら個人商店でよく見られた、ブラウンメタを選択した方が良かったかも知れません。

今回は事務用品店仕様と言う事ですが、当時この様な個人経営の事務用品店は、学校の近くにある老舗の文具店が原点である事が多く、各地区の学校とのコネクションが多かったと鮮明に記憶しています。それは私が事務機器メーカーのサービス兼営業の仕事をしていた頃、その様な事務用品店の創業者もまだまだ健在で、そのコネクションの濃さを直接感じたものでした。その様な事務用品店の機嫌を公私共に損ねると、その街の学校関係で商売が出来なくなる等、今なら大問題になる様な、独占的な商売が横行していました。他にも理不尽な条件を呑まなければならなかった事など、サービス営業マン時代の私にとっての、『負の歴史』を思い出してしまった次第です。

2023年11月発売 発売価格 2.299円(税込み価格)