ウッド製の東北地方のバス、最後の1台は福島交通です。暖色カラーで纏められたカラーリングは見るからに地方都市のバスで、非常に良い雰囲気です。

福島交通も高度経済成長期に過疎化が進んだ地域を路線バス路線を展開していた為、或いは人的な理由も重なり経営難に陥り、またバブル経済崩壊後によくあった多角経営の負債も重なり、一時は四面楚歌状態になりましたが、株式会社経営共創基盤がスポンサー企業に加わった後は、長距離高速バスを中心に業績を伸ばし、経営も安定したかの様に見えました。しかし東日本大震災の被災地を主に路線を展開していた路線バスは大打撃を受け、更に2019年の台風19号で多くの路線バスが水没してしまいましたが、東京都交通局から無償譲渡された車両で何とか立直りました。その後は設備の近代化や合理化を図り、一般の路線バスは他のバス会社と同じ悩みを抱えているものの、長距離高速バスの好調もあり、経営共創基盤グループてしては黒字経営との事です。

福島交通は三菱ふそうが大株主である事から、このモデルが発売された1980年当時は日野車は納入されていなかった為、モデルはカラーリングを除いてフェイクと言う事になります。近年は多く中古車をはじめ、国内各メーカーの車両が福島交通に存在していますが、モノコックボディの時代は三菱ふそうのみの導入でした。

福島交通のバスは、長距離高速バスのギャラクシー号を、共同運行会社の近鉄バスの車庫が近くにある我が街でも、回送中の姿をよく見る事から、東北地方のバス会社の中で親近感がある唯一会社で、ボディに記された福島交通の文字を見ると『長距離ご苦労さま』と、声を掛けたくなります。

1980年発売 発売当時価格 500円