トミカ初の牧場トラックは、10系初代ハイエーストラックをベースに1972年に発売、トミカの第二次拡張期に登場しました。ベースモデルが1971年から好評発売中だった為、比較的早い時期に登場したバリエーションモデルでした。

このモデルにて、牧場トラックの存在を知った都会の子供達、或いは身近な存在だった地方の子供達、両者に人気があり、トミカの作業車として良い線を行くヒット作になりました。作った側としても、先ずはイメージを第一に考えたと思われ、荷台の印象は誰もが思う牧場て見るトラックであり、また見た事が無かったとしても『牧場トラックはこんなトラック』と、自然に思い込んでしまう程のイメージを定着させたモデルです。

このモデルのセールスポイントは、何をさて置いても牛のフィギュアですが、現役当時は殆ど子供の玩具として扱われた為、この牛のフィギュアを早々に紛失された物件も多く、それが完品のプレミアムとなっている所以と聞きます。近年発売された別のモデルでも、リサイクルショップで見掛ける物件の殆どが、牛や豚のフィギュアが紛失しており、よって半世紀前のモデルにプレミアが付いている事にも、ある程度は納得が出来ます。

この個体は私が小学1年生の頃から所有して来たもので、既に半世紀を経たワンオーナー品です。まだミニカーコレクションを意識するかしないか、微妙な時期に買って貰った為、本体の状態はご覧の通り酷く、箱もとりあえずあるだけに過ぎません。しかし奇跡的に牛は原型のまま残っており、この様な状態であっても、意外と貴重かも知れません。

私にとって、特に思い入れのある仕様のモデルではありませんが、後継モデルであるトヨタダイナがベースのモデルも発売当時に手にしているので、購入した時期の違いによる年次的な比較も含め、次回のこの項にてアップしたいと思います。

1972年1月発表 発売当時価格 180円