当コレクションでは少数派である、スカイラインGT-Rのトミカ、1999年に発売されたR34GT-Rのモデルで、最初期のレギュラー品となります。

私の中でR34スカイラインは、最後のスカイラインだったと思っています。これ以降はスカイラインと名乗るものの、全てにおいて別次元のクルマで、ましてやGT-Rに至っては既にスカイラインの名は無く、カーマニアによってスカイライン史の系譜に無理矢理入れられている様に感じます。よってスカイラインと名乗らないGT-Rは、日産の新生スポーツカーの系譜として、新たに歩み始めた次世代のクルマと私は思います。

さて、トミカのR34スカイラインGT-Rですが、R32、R33それぞれのGT-Rを製品化して来た流れで登場した、トミカのラインナップに必要不可欠なモデルでした。しかし当時のトミカは決して良い出来とは言えず、このR34GT-Rも残念な仕上がりとなってしまいました。

まずプロポーションにキレが無く、フロント周りもあまり似ていません。どちらかと言うとR33の様に見え、またグリルに肝心のGT-Rのエンブレムの表現がありません。ヘッドライトも玩具全開のメッキ処理、リアに目をやるとリアスポイラーが一塊で抜けておらず興ざめです。更にテールランプユニットに色入れはされているものの、若干小さいのも気になります。ホイールはノーマル仕様ですが、せめてワイドホイールを履いていたなら、少し見栄えが良くなっていたと思います。しかし歴代スカイラインGT-Rの実車の人気に支えられ、セールスの方は好調で、ショップの特注モデルも多数発表されました。

前作のR33GT-Rも、あまり良い出来では無かったのですが、このR34GT-Rは輪をかけてトーンダウンしており、国内生産で非常に出来の良かったR32GT-Rと比べると、仕上がりは雲泥の差と感じます。この時期のトミカの乗用車は殆んど同様の仕上がりなので、発売された時期が不運だった、スカイラインGT-Rのモデルだったと思います。

1999年4月発売 発売当時価格 360円(税別価格)