今や完全に忘れ去られた存在のNスケールバスモデルです。2000年前後にNスケールのレジン製鉄道模型を矢継ぎ早に発表し、鉄道模型雑誌にも大々的に広告を打ち出していた、今は無き東京堂モデルカンパニーが、バスコレ以前に展開していたNスケールバスのキットで、こちらもレジン製のボディを持つキットシリーズでした。東京堂オリジナル部分はレジン製のボディと付属のステッカーのみ、シャシとウインドウはトミックス製の路線バスの物を流用しています。シャシはそのままで使えましたが、ウインドウは調整が必要です。レジン製のボディのディテールは意外と悪くはなく、それなりに実車の特徴を捉えてはいました。

このメーカーのレジン製モデルの品質は絶望的に悪く、同社の鉄道模型車輌はバナナの様に変形する事も珍しくはなく、また高価であった為、コレクターには悪評サクサクでした。またこのバスキットシリーズもそうですが、他社の完成品をバラしてまで自社製品のパーツとして流用していた為、不要になったボディ等を直営店で売っていた事もありました。しかし不要パーツに然したる需要がある訳でもなく、売れ残った殆んどのボディ等は廃棄されていたと思われ、SDGsが叫ばれている現代では考えられない、何とも無駄で勿体無い事をよくもメーカー自身がやっていたと思います。

この個体はバスコレが発売される直前に購入した物で、とりあえず製作予定にしていました。しかしバスコレが第1弾にて同車種を発表。その素晴らしい出来を見て、このモデルを作る意味は全く無いと感じました。それ以来このままの状態で放置されています。

残念ながら既に変形しており、作る意欲も無かったのですが、バスコレと唯一違う点は非冷房仕様という事であり、メーカーのカタログカラーにでも塗ってみるのも面白いのではないかと、最近ちょっと思っています。

2000年頃発売 発売当時価格 4.320円(税別価格)