カーコレ80のマツダT600、今回は白/緑のツートーンカラーのモデルです。前回の白/青のツートーンカラーとカラーリング以外は何も変わらず、付属の幌と手荷物も全く同一のバリエーションモデルです。解説も同じになってしまうので、今回は私が初めてマツダT600と出合った時の話をしたいと思います。

私とマツダT600の出合いは意外と遅く、中学校1年から2年に上がる時の春休み、1980年3月に、ぶどう畑の中で偶然見掛けたのが最初でした。この時は友人達と、大阪市内でめっきりと見なくなって来たミゼットMPを、まだ何とか現役で走っていると噂の、大阪府東南部のぶどうで有名な地区へ、自転車で撮影に訪問していた時の事でした。その地区に入ると、噂通りにミゼットMPが町内に多く残存しており、結構な数を撮影していました。そして何気に山の上のぶどう畑の方に目をやると、マツダK360らしき3輪車が見えたので、友人ともども少し興奮気味に自転車で駆け上がって実車を近くで見ると、K360に比べると若干全長が長く雰囲気が違い、ナンバープレートは66ナンバーが付いているではありませんか。エンブレムはT600とあり、この時に初めてマツダT600の存在を知りました。『へぇ~!ほぉ~!』と、友人達と感心して撮影していると、オーナーであるぶどう畑のおじいさんも『そんなに珍しいか?』と、困惑しながらもニコニコしていましたが、この時以来、現役で働くノーマルのマツダT600を見る事はありませんでした。

余談になりますが、この時に現役で働くダイハツニューラインキャブにも遭遇しており、勾配の多い山側では、少しでも馬力があり、小回りの効く軽と同じボディーサイズのクルマが、重宝されていたのかも知れません。

そんなマツダT600がモデル化される事など、その頃は全く思いもせず、このカーコレ80のモデルを手にした時、あのぶどう畑で見たT600が真っ先に目に浮かび、前掛けに農協の帽子をかぶった、あの優しいオーナーのおじいさんの笑顔も鮮明に思い出した次第です。

2009年発売 発売当時価格 580円(税別ブラインド発売価格)