元祖ダイヤペットの乗用車を続けますが、前回のケンメリ・スカイラインバンから打って変わって、日本を代表する高級車である初代トヨタセンチュリーです。このモデルは当ブログの創成期以来、10数年振りの登場です。

元祖ダイヤペットのセンチュリーは、1969年から発売されていましたが生産性が悪く、それに伴い仕上がりもイマイチだった為、1977年になって完全新金型にて再度新製品として出直す事になったのが、今回のモデルになります。

元祖ダイヤペットのセンチュリーの一大特徴は、4ドアが全て開閉可能な事で、これは最初のモデルから継承されたものです。最初のモデルではフロントドアを開けてからでないと、後部ドアを開く事が出来なかったのですが、このモデルでは後部ドアも独立して開閉が可能な様に改良されています。しかしこの4ドア開閉により、プロポーションの崩れが髄著になってしまった事は皮肉であり、また残念な事に思えます。

モデル全体を通して見ると、重厚で威厳のあるスタイルをよく再現しているのですが、どうしてもドアのギクシャク感は否めません。メッキパーツの納まりも良く、足回りのしっかり感も好感が持てるだけに、ドアのギクシャク感は重ねて残念に思う次第です。

ボディカラーは黒色以外にも、茶色や赤色、限定品で白色もあった様ですが、センチュリーには黒以外は無いと私は思い、多目に見てもシルバーしか他に選択肢は考えられません。ましてや赤色なんぞ、どう言った見解でバリエーションに加えられたのかと、理解に苦しんでしまいます。もし子供の玩具を横目に見ていたとしても、この様な車種を子供が選択する事は、極めて稀だったのではとも考えてしまいます。

当時の元祖ダイヤペットは、子供の玩具とコレクターの狭間で、自らの存在に悩んでいたのではないかと察します。このセンチュリーのカラーバリエーションを見るたびに、私もミニカーコレクターが変人扱いされていた、当時のミニカーコレクションの事情を振り返り、考え込んでしまう次第です。

1977年1月発売 発売当時価格 1.000円