前回のハードトップGT-Xに続いて、元祖ダイヤペットのケンメリスカイライン、今回のバンのモデルも、今では希少価値が高い製品です。
 
このモデルは米澤玩具社内でハードトップGT-Xと同時に企画されていた為、別の協力工場に製作が依頼されました。その為にハードトップGT-Xとは違った作風になり、基本的に同車種なのですが仕上がりは全く別物となっています。
 
結論から言うとこのバンの方が出来が良く、後年の評価もハードトップGT-Xよりも高く、また長らく唯一のノーマル仕様であった事も手伝い、比較的早い時期からプレミアが付いていた様です。プロポーションの良さは甲乙つけがたいのですが、フロントグリルやリアのパーツ割、エンブレムなどの細かな彫刻等は、バンの方が細かくリサーチしている様です。もちろん一大特徴であるサーフィンラインも良好です。タイヤ及びホイールが僅かに小さい目ですが、あまり気にならない程度です。特にフロントグリルの再現性は、ハードトップGT-Xの様に大味ではなく非常にリアルで、ショートノーズ用独自のディテールを余す事なく再現されています。
 
唯一の欠点は、ドアを開くとボティ側に窓枠が残ってしまう点で、このモデルを担当した協力工場のモデルでは、少なからずあった『仕様』となっています。
 
このモデルはここで何度かアップしているのですが、前回のハードトップGT-Xと離せない歴史があり、このタイミングで再登場願った次第です。あのハードトップGT-Xは46年に渡る長い願いが叶い、先日やっとの思いで手にする事が出来たことは、前回にお話した通りなのですが、もしあの時、私が思っていた通りのオーバーフェンダー無しのハードトップGT-Xが、大丸のミニカー売り場にあったなら、このバンは今ここに無かったと思います。実際にミニカー売り場にあったオーバーフェンダー付きの赤いGT-Rモドキに落胆していた時、直後にこのバンを見つけた衝撃は今でも忘れられません。
 
一瞬1800のセダンもダイヤペットから出ていると思いましたが、よくよく見るとバンであり、その瞬間に購入ターゲットをこちらに変更。もうGT-Rモドキは眼中になく、このバンを買って貰った満足感で、その時は悦に浸っていました。
 
しかしいつの日にか、オーバーフェンダー無しのハードトップGT-Xも手に入れ、このバンと一緒に並べると、長年夢見続けて続けて来ましたが、ベテランのコレクター諸氏ならご存知の通り、オーバーフェンダー無しのハードトップGT-Xは元々数が少なく、更にミニカー界のスカイラインのブームも手伝い、年々プレミアが増して高価な絶版品として扱われ、もう入手は無理と諦めていました。それがつい最近の事、奇跡の様な安い価格で手に入れる機会に恵まれ、やっとの思いで2台並べる夢が実現したと言うわけです。
 
今は、感慨深い様々な思いを込めて、いつでも見られる場所に2台並べて展示しています。
 
1974年8月発売 発売当時価格 850円