TLVの東宝名車座、前回のメキシコ大作戦より更に時代を遡り、1963年に公開された作品、『クレージー作戦 くたばれ!無責任』に登場した、DK系のミゼットになります。

この映画は『ハッスルコーラ』と言う架空の企業を舞台に繰り広げられる、ドタバタ劇なのですが、その社有車として登場するのが、このハッスルコーラカラーのDK系のミゼットです。よって、劇中車としては主役級の扱いで、様々な場面で登場していました。中でも首都高速を走行中に、編隊を組んだペプシコーラのボトルカー(日産キャブオール)に抜かれるシーンや、大きなアメ車の間を縫って丸ノ内界隈を走る場面等、旧車ファンも結構楽しめます。

他のストーリーについては話が尽きないので、例によって他を参照して頂く事とし、モデルについてインプレッションして行きましょう。

劇中車そのものをモデル化している為、キャビン及び荷台の幌が無い状態を再現しており、非常に原始的なスタイルとなっています。無論、ハッスルコーラのカラーにロゴも正確に入っているのですが、DK系ミゼットのモデルとしても、非常に貴重な仕様となっています。それはこのモデルのプロトタイプが、1人乗りが圧倒的に多かったDK系ミゼットの中でも、生産台数の少なかった2人乗り仕様となっており、左側にオフセットされた助手席が表現されています。なお付属品として、ハッスルコーラの青いコンテナが付いています。

公開された1960年代前半は、コーラが本格的に日本に入って来て間が無い頃で、国産コーラも地方のローカルメーカーを含め、多数登場した時期でした。その最先端の清涼飲料水を主題にしたこの作品は、クレージーキャッツの全盛期とともに大ヒットし、様々な分野にて、今でも語り継がれる名作となっています。

2007年11月発売 発売当時価格1.100円(税別価格)