少し前にアップした、セドリック及びグロリアのカスタムデラックスを、タクシ-仕様にした
伝説のキットで、どちらかと言えばこのタクシーのキットが本命の製品と言えました。
(セドリック https://ameblo.jp/k163sambar360/entry-12529044920.html?frm=theme)
(グロリア https://ameblo.jp/k163sambar360/entry-12533900608.html?frm=theme)
発売された1981年頃は、1970年代後半から続いた、スーパーカーブームも下火になり、
クルマのプラモデルの売上も、横ばい状態となっていましたが、それでもスポーツカーや
レーサー等の『カッコエエ』クルマのキットが売れるのが鉄則で、メーカーもその様な車種を
製品化し、そこそこの数のキットが生まれていた、その様な時代だったと記憶しています。
そんな中発売された、このグロリアタクシーのキットは、メーカーであるオオタキの野心作で、
当時としては、まず他のメーカーでは思いつかない、ある意味物凄い冒険だったと思います。
だいたいからして、ベースのカスタムデラックスでも、一般的に『カッコエエ』からは程遠い、
ただの地味なセダンだった上に、ましてやスタンダードのタクシーをキット化したのだから、
今は無きメーカーのオオタキのチャレンジ精神には、ただただ脱帽するばかりです。
しかし結果は惨敗で、あまりと言うか殆ど売れず、何年も模型店の不動在庫として残り、
その間にメーカーオオタキも廃業し、キットそのものも、忘れられた存在となってしまいました。
しかし、旧車ブームや西部警察のリバイバルブームにより、430系セドリック・グロリアも
注目が浴び、一度は忘れ去られていた、このシリーズがいきなり脚光を浴びる様になって、
絶版価格も上昇し、メーカーのオオタキも無い為、その価値に拍車をかける事になります。
同じ430セドリック・グロリアでも、ハードトップは他メーカーでもキット化されていましたが、
セダンとなると唯一、ましてやタクシ-はこれしか無かった為に、恐ろしい価格で取引され、
一時は5万円などと言う、当時を知る者としては、到底信じられない値段になっていました。
後にアオシマが現代版の素晴らしいキットを発表し、そのプレミア価格も落ち着きましたが、
それでも当時物というレッテルで、現在でも高価格での取引が今だに続いている様です。
仕様は、この会社タクシー仕様と個人タクシー仕様がありましたが、個人タクシー仕様には
スタンダードは少なった為か、会社タクシー仕様の方に人気があった様です。
キットの内容はデラックスで、タクシー仕様にする為のパーツ一式と、首都圏仕様4社の
デカールがセットされており、これでノーマルのカスタムデラックスと同じ価格とはお得です。
出来はカスタムデラックスと同じく、カッチリとした仕上りを楽しめる、真面目なものですが、
惜しむらくは、カスタムデラックスと共通の車体の為、ボンネットフードにあるフロントグリルの
切り欠けがあり、正面の表情の印象が違っており、非常に惜しい部分として残念に思います。
この個体は無論当時物で2キット購入し、初めから未開封保存の目的で残して来た物です。
作った方は阪神淡路大震災の時に、カスタムデラックスとともに、棚から転落した為に解体し
後に、そのカスタムデラックスとニコイチで、正調の個人タクシー仕様として復活しました。
その正調・個人タクシー仕様は、Yahoo!ブログ時代にアップしているので、ブログ内検索にて
今のところは参照して頂ければと思い、またいずれ再度のアップも考えています。
1981年発売 発売当時価格1,000円