バンダイ製ホンダTN360の完成直後ですが、新たなプラモデルのレストア記を始めます。

今回は鉄道模型・・・と言うよりも、鉄道模型プラモデルと言った方がお似合いの物件です。

 

オリエンタル模型の国鉄ED92形電気機関車。このキットの『製作放棄』と思しきものです。

ED92形電気機関車は、私にとって思い入れのある機関車で、この普通の国鉄機と明らかに

違う美しい容姿、1両という特異性が気になり、小学1年生の頃に図鑑で初めて見て以来、

ずっと愛し続けて来た、憧れの電気機関車で、それはこのキットにも同じ思いがありました。

もちろん、何度かこのキットの製作にトライしましたが、子供の頃の腕では所詮それなりで、

元々走らす事が難しい鉄道模型プラモデルなので、素組でカタチにするだけで、悦に浸って

楽しんでいたに過ぎず、またその作った物も、知らない間に私のもとから消えていました。

 

未製作のストックは15年程前に再び入手し、以来大切に温存しているのですが、今の技術で

もう一度作ってみたくなり、ネットオークションで探してみると、たまに出品されていたとしても物凄い高額品となっており、未製作品を再度入手する事など、今の私にはとても不可能です。

酷い組立済みのジャンク品でも探さないと、もう一度製作するは、到底無理と思いましたが、

やっとの思いで、この『製作放棄品』を入手する事が出来ました。今の私に入手出来る限界が

この様な状態である事が、キットの希少価値を表しており、心してレストアに掛かります。

 

箱は良好で、ストックの箱よりも、一部は綺麗だったのですが、レストアする本体は壮絶です。初めて箱を開けた時の印象は、『えらい物件に手を出してしまった、どうしようか・・』でした。

元々バラバラのボディは、組み立てられていたのですが全体に歪んでおり、もっと言うと

平行四辺形で組まれ、接着剤もはみ出し放題、屋根の碍子に至っては、絶句するぐらいの、

或る意味、芸術的でシュールな装着状態で、他の碍子は接着後に折れたのか、足が屋根に

残ったまま放置され、接着剤の跡が全ての孔の周りに残り、どうにでもなれと言った感です。

どうやら年少者が、組み立て放棄した雰囲気ですが、私が子供の頃に組み立てた時でも、ここまで酷い事はせず、ボディもちゃんと箱にし、碍子も孔を広げてキチンと差し込みました。

 

下周りは案外と落ち着いている様ですが、そのまま組んだだけで、絶対に動作しません。

ここでも接着剤がはみ出しは勿論、台車の左右対称も考えておらず、分解は絶対です。

 

パンタグラフとスカートも、歪みやズレが当たり前のように、何とも雑に組まれています。

特にパンタグラフは細い上に、接着面積が小さいにもかかわらず、接着剤が盛大にはみ出て

もう原形での分解は99%不可能と思われるので、何らかの対策で、新たな手を考えます。

スカートも少しだけアップデートし、少しでもED92形の『顔』に近づけてみたいと思います。

 

前回のレストア大作、バンダイのホンダTN360に続いて、絶版のマブチFA13モーター。動作するかしないか、これによって今回のレストア進行方針が、大きく変わります。

シャフトに動力伝達用のゴムチューブが粉々になった残骸の状態で、一部が残っています。

 

袋にまとめて入れられていた、小間物パーツ一式。原始的なスイッチには怪しい状態にて

取り付けられた金具、脚が折れたと見られる電池金具ユニット、屋根から外れたままの碍子、

見るだけで、今後のレストアにおける様々な苦難が窺い知れる様で、気が滅入る様です。

                                                    つづく・・・