日本の新世代タクシーとして、一昨年鳴り物入りで登場したジャパンタクシーが、早速トミカの
ラインナップに加わり、興味本位で購入しました。今だに馴染めないこのケッタイなクルマは、
シエンタをベースにした、実用本位のクルマとの事ですが、賛否両論が登場直後から別れ、
大阪の街中でも思った程見掛けず、今もクラウンコンフォートの方を見る機会が多く感じます。
正直言って、私もこのクルマには否定的で、実際に何度か運転しましたが印象は良くなく、
バリアフリーを優先した割には、その操作が複雑で遅く、また普通の流しで拾って乗っても、
何か落ち着く事が出来ず、クラウンコンフォートの様な、安心感があまり感じられません。
更に価格が相当高く、そう言った面からも普及が遅れていると、想像に難しくありません。
運転席も機能を優先にしたかも知れませんが、何処かごちゃごちゃし過ぎて落ち着きません。
エンジンも、別にハイブリッドにしなくても普通のLPGガスでも良く、わざと車両価格を高くする
為にハイブリッド専用にしたかと思うぐらい、意地悪なエンジンの設定に閉口してしまいます。
『トヨタが作ったのだから売れる、日本国民は嫌でも使うだろう』と、言った声が作った側から
聞こえて来る様な雰囲気が見え見えで、私がどしても好きになれないクルマの一つです。
バリアフリーの機構について、後に少し改善されたと聞きますが、そんなに早く改良するなら、
何故もっと煮詰めてから世に送り出さなかったのか、試作車を市販直前にタクシー会社へ
貸出して、実際に運転して営業するドライバーの意見を、もっと採り入れなかったのか等々、
現場の意見を採り入れずに作った事で、歪が出て世論に押されての改良だったと思います。
トミカのジャパンタクシーも残念ながら、実車と同じくつまらないモデルとなってしまいました。
全体のフォルムは悪くなく、この意図不明の難解なスタイルを、良く表現しているのですが、
後ろ1/3の窓が全て抜けておらず、更にタクシーのモデルにとって、致命的な欠点としては、
ドアの開閉機構が採り入れられておらず、玩具としてのトミカの使命を果たしていません。
クラウンコンフォートのモデルは、乗降用ドアに開閉機構を採り入れ、タクシーゴッコ遊びに
大きなプラス要素だったのですが、これはどうした事でしょうか、納得出来ません。
先述べの様に、プロポーション重視で見れば、それも仕方ありませんが、トミカ全体の大きな
マーケットを考えた時、アクションは出来るだけ採用するべきで、この様な子供に受けそうな
モデルの場合は尚更で、せめて乗降用スライドドアは、開閉式が欲しかったところです。
今のトミカの技術なら、それは可能だったと思うのですが、重ねて残念なモデルに思います。
珍しく、実車及びトミカともに、辛口評価のクルマとなってしまいましたが、ジャパンタクシーが
あまり普及していない現状を見ると、何かと問題は残っている様で、出来る事ならば、実車も
クラウンコンフォートの復活を望み、トミカの方でも、まだまだ継続生産して欲しいものです。
2019年6月発売 発売価格450円(税別価格)