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当営業所では珍しい、完全なドイツ現地仕様の外車で、比較的旧い製品です

有名なドイツのミニカーメーカー、シュコー製の1/66スケールモデルですが

これら2台は、メルセデス・ベンツの特注品と思われ、専用のボックスに入っています

同じデザインのボックスで、乗用車の製品も見た覚えもある事から、ショールームや

展示会などで発売されたものと推測され、日本にも正式に入って来ていたと思われます


このメルセデス・ベンツ O303は、1970年代から1980年代にかけての

メルセデス・ベンツを代表するバスで、日本なら三菱ふそうB800・900系や

日野RC・RV系にあたる、最もポピュラーなバスと言え、多く活躍していました

手元の1980年度の資料を見ると、市内路線用、観光用、中・長距離路線用まで

多彩な仕様を用意、エンジンやホイールベースも日本車同様、数多く揃えています

モデルとなっているのは、O303UHE エクスカーションバスという仕様で

シリーズ中、一番汎用性のある、フレキシブルなクルマと言えます

全長12m、ホイールベース6.33mと、当時の日本のフルサイズ車とほぼ同じです

なお、日本でも高速路線バスとして一時期使用していたのをはじめ、比較的少数ながら

観光バスとしても稼動実績があり、日本の道路にも轍を残しました


モデルは1970年代後半のモノと思われますが、同時期の日本のミニカーに比べ

既にコレクター向けの仕上がりで、玩具の面影は殆ど見られず、しっかりとしています

ドアは前後ともに開閉可能、しかしモデル全体に違和感は感じられず、ディテールにも

全く影響がないのは流石で、日本では21世紀になって、やっとコレクター向きの

バスモデルが登場したのに対し、35年以上も昔に、このようなモデルが海外では

存在していたとは、今から考えても、日本でバス趣味は確立されていなかったと

当時からバスを趣味の対象にしていた者にとって、感慨深いものがあります


日本のバスモデルも、当時からこのO303のように、精密なモデルが存在したなら

その歴史も変っていたのかも知れませんが、バス趣味人口が極々少なかった頃に

もしそのような国産モデルが存在したとすれば、高価で買う事は出来なかったと思い

バス好きの少年は、悔しい思いをしなければならなかったと、想像に難しくありません

ダイヤペットやトミカ、ウッドのバスモデルを、少ない小遣いをやりくりして

集めながら、『これは将来貴重な模型資料になるぞ!』思っていた時代が懐かしく

やはり当時の日本のバスモデルは、『バスのミニカー』でよかったのかも・・・と

この舶来のO303のモデルを見て、ちょっと考えてしまいました


1970年代発売 詳細不明