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Nゲージの車両の種類がまだまだ少なかった頃、当時の『国電』といえば関水金属(現KATО)製

103系しかなく、しかも同社の黎明期から生産されてきた初期型がプロトタイプとなっていました

トミーナインスケールも模型店に登場し、ほんの少しだけ模型店のNゲージのケースが賑い始めた頃

グリーンマックス製(最初期はマックス)の日本向け建物キット、そして一部の完成車両が発売されました

その中に、当時は最新型だったATC搭載の首都圏型(当時はそう呼んでいました)クハ103形があり

前述の関水金属製103系と組み合わせて遊べるようになりました

ブルー、グリーン、オレンジの3色で、もちろん首都圏の路線に合わせたカラーです

その塗装のニュアンスも、関水製に同調したように合わせてあり、また後にクーラーも別売されたので

実車と同じような編成も可能になり、本当に嬉しかったものです

発売当時、我々の仲間でも一部の者しかこの車両の存在を知らず、何食わぬ顔をして運転会に持って行くと

みんなから羨望の眼差しで見られたのも懐かしい思い出です

その頃関西では、まだこの顔のクハ103形はなく、『天王寺行き』は夢の方向幕でしたが

程なくして、非ATCで同じ顔をしたクハ103形が近所の阪和線を走り始め、実車も関西で見られるようになり

『天王寺行き』も名実ともに本当になりました

この個体はもちろん当時物で、ずっと当電車区に所属してきた生え抜きの車両で

当初は関水製の中間車と組んで活躍した後、後にキット方式となってから追加発売された中間車と置き換え

長い間6両編成で活躍してきました

点灯装置も座席も無く、動力車は室内に目いっぱいにダイキャストブロックが占めていたりして

単に103系のスタイルをしているだけの、今見ると、どうしようもない製品ですが

30年以上、地味に黙々と働き続けてきた実車同様、これはこれで十分なモデルと思い

長いNゲージの歴史を語る、生き証人として大切な車両と思います


1976年発売 発売当時価格1,200円