


それまで戦前から継承してきた、電気機関車の基本構造を根本的に見直した
新性能電気機関車の第一号として開発されたもので、当時開発の進んでいた交流機関車の技術を取りいれ
僅か全長13m56トンの小さな機関車ながら、従来の20m100トンの機関車に相当する性能を持ち
当時流行していたマンガ『鉄腕アトム』に因んで『アトム機関車』とも呼ばれました
一方で、大正期から昭和初期にかけて輸入された、旧型D形機関車の老朽化が進み
それらの機関車の置き換え用としての役割もあって、1931年に製造されたED16型以来のD型機でもありました
後に電力回生ブレーキを追加したED61型をファミリーに加えましたが
そのED61型は後年、電力回生ブレーキを撤去し、中間一軸の走輪を追加し軸重を減らし
ED62型となり、現在でも何両かが現存しています
ED60型自体は、私にとっても思い出の機関車であり
我街を走っていた南大阪臨港線~通称阪和貨物線で日常的に見られた機関車でした
最後、廃止直前には全国的の鉄道ファンに注目された竜華機関区の所属で
実際に目の当たりにしても、当時同じくよく見たEF15型やEF52型に較べても小さく
それら旧型デッキ付の機関車との重連で先頭に立ち、貨物列車を引いていたのを昨日の事のように思います
モデルはワールド工芸から発売されていた、Nゲージ唯一のもので、少々高かったものの
思い入れのある機関車だったので、清水の舞台から飛び降りたつもりで購入しました
HOゲージの技術を取り入れた真鍮製の完成品で、手すり等は流石繊細な出来です
ED61型は旧くからHOゲージをも含めて、モデル化に恵まれてきましたが
ED60型は、なかなかモデル化されず、本当に待ち望んでいたので、発売と同時に購入しました
そして現在、所属した竜華機関区は跡形も無く、活躍の場だった南大阪臨港線跡も線路撤去が進んでいます
今から20数年前まで、このED60型が走っていた線路は、間もなく全て消え去ろうとしています
今後、その路盤がどのように変貌するかは予想も出来ませんが
NゲージのED60型は、当機関区でこれからも実機の思い出と共に活躍してゆきます