

私が「アベノの近鉄」と呼んでいたこのデパートは
1937年に現在の近鉄の前身の一つである「大阪鉄道」がターミナルビルとして建造したもので
阪急梅田駅に始まる、関西民鉄のターミナル駅ブームの一つとして話題を呼びました
南大阪の玄関口としての機能はもちろん、直営の百貨店とその他の店舗を含んだビルヂングは
モダンな内外装とともに、人々の憧れの「デパート」として今日まで君臨してきました
1945年3月14日の大阪大空襲で2階以上は焼失しましたが、1948年までには復旧
大近鉄となってからはその売上もドンドン延ばし、大阪では誰もが知っているデパートに成長しました
しかし、近年は「阿倍野再開発」やJR天王寺駅の近代化もあって、取り残された感じとなり
耐震強度の問題や設備の老朽化も伴い、2007年に建替えが決定しました
建替えた後は、高さ300メートル地上59階立てとなり、日本一の物凄いビルに生まれ変わります
近代化は、阿倍野地区の活性化には貢献するかとは思いますが
あの、のんびりとした昭和の思い出がいっぱい詰まったビルヂングが消えてしまったのは
本当に残念で仕方がありません
大食堂で食べた近鉄のマークが入った旗の付いたお子様ランチ
別天地のようなクーラーのかかった夏の百貨店内
妹と迷子になって呼び出された年末の混雑
そして数多くのミニカー達を買ってもらったおもちゃ売場
もう全てが過去のものになってしまいました
沢山の楽しい思い出をありがとう「アベノの近鉄」!