前回のトミカくじ2のモデルに引き続き、1つ時代を遡り、トミカくじ1にラインナップされていた、K111スバル360のモデルになります。

2000年12月に発売されたトミカくじ1には、私の購入対象の旧車が2台含まれていましたが、そのうちの1台が、このK111スバル360でした。因みにもう1台はミゼットMPで、当時開封品を2台合わせて購入しています。

モデルはベージュ単色の単純なカラーバリエーションで、灯火類のメイクアップも無く無愛想で、ボディカラーから来る雰囲気で、埴輪を想定してしまうのは私だけでしょうか。しかし見方によってはシンプルな仕上げでミニカーらしい仕様とも思えます。

このモデルも前回のトミカくじ2のモデルと同様に、もし安値で手に入るのなら、トミカのスバル360コレクションに加えてもいいかな・・・と、いった感じのモデルと思います。

2000年12月発売 発売当時価格 350円(税別ブラインド販売)






1990年代後半からホンダ・ダイレクトマーケティング・コーポレーション(以下HDC)が展開した特注トミカから、バモスホンダです。

HDCでは、トミカ及びトミカダンディのモデルの中から、金型が現存する殆どのホンダ車を特注モデルとして発表しましたが、それは商用車のTN360やバモスホンダにも及び、ディープなホンダエンスーにも支持され、好評をもって市場に迎えられました。しかも全てグレードアップされた仕様で、ミニカーコレクターの間でも評価も高く、今でも人気の高いシリーズとなっています。

このバモスホンダは特に出来が良く、元モデルの蘇生が活かされた素晴らしいモデルです。カタログカラーで製品化されているのは、言うまでもないのですが、トミカレギュラー品の同じカタログカラーであるアイボリーを見慣れた目には、半艶消しのモスグリーンは非常に新鮮で、コレクションに変化を与えるモデルとなっています。またフロントのスペアタイヤ、ウインカーやテールランプの灯火類の色入れも効いており、外観上はこの手の特注品としては最高の部類の仕上がりです。

一方で残念な点はインテリア、特にフロントシートがお粗末になってしまった点で、オリジナルのリクライニング可能で実感的なシートがオミットされてしまった事は、非常に残念でなりません。

バモスホンダはそのユニークなスタイル故に、国産旧車としてはメジャーなクルマなので、多数のモデルがこれまでに存在して来ましたが、一番小さなトミカの出来がトップクラスで、いかに当時のトミカの仕上がりが良かったと言う事を表す、典型的なモデルと言えるでしょう。

1998年発売 発売当時価格 850円(税別価格)






トミカ30周年復刻シリーズ、今回はC110系スカイライン『ケンメリ』のモデルですが、このモデルも前回のハコスカと同様に、シリーズ中でも残念な部類に入ってしまう復刻でした。

このモデルの原型は非常に出来が良く、流麗なケンメリGT-Xのフォルムを的確に捉えた、素晴らしい1台でした。特に最初期モデルは、実車のイメージカラーだったメタリックブルーに近く、また初期のホイールが実物のホイールカバーに似ていた事もあり、当時のトミカとして完璧なモデルでした。

もちろん私も購入し大切にしていましたが、残念な事に盗難にあってしまい、手元に残っていません。あまり言いたくはありませんが、小学生5年生当時の友達が出来心で持って帰ったと思われ、後年ある友達の家に言った時に、私の物と思われる当該モデルが彼の机の上にありました。その証拠は片付けるケースを分類した、青い丸のシールがシャシにあり、これは間違いなく私の物と確信したのですが、そこは黙って見過ごしました。しかし彼とは徐々に距離を置く様になりました。

そんな悲しい思い出のあるトミカなので、それ以降も買い直す事もなく、またその頃には、非現実的な真空メッキのグリーンに、ボディカラーが変更されており、購買意欲も無くなっていました。

そしてやっと今回のモデルの話ですが、前回のハコスカ程ではないにしろ既に原型が失われ、GT-Rタイプのオーバーフェンダーやリアスポイラーが追加された、何とも醜いモデルとなってしまいました。その為、流麗なGT-Xとしては永遠に再生産出来なくなっています。更にフロントグリルはGT-Xのまま、中途半端なGT-Rモドキの様な仕上がり、もう無茶苦茶なモデルと言わざるを得ないでしょう。ハコスカの場合は、復刻をを21-1ではなく21-2としてラインナップに加えていたのなら、それで高評価の対象になったのですが、このケンメリは品番も変えようが無く、どうしょうもありません。

ここまでしてまで、このモデルを30周年復刻モデルの一員に加える必要があったのでしょうか。歴代スカイラインのモデルが売れ筋とは十分承知とした上で、同じスカイラインでも、きちんとした復刻が可能なC210系、通称ジャパンでも良かったのではないかと思います。もっとも、トミカのジャパンも、前期型から後期型に金型が変更されていますが、後期型としては原型は崩れておらず、もし私が担当者ならばC210系を復刻モデルとしていたと思います。

ケンメリGT-Xのミニカーは、元祖ダイヤペットと言いトミカと言い、揃って出来の悪いGT-Rモドキに、またプラモデルの世界でも暴走族仕様に、かなりの数のキットが改悪されてしまった残念な歴史があり、モデルとしては『悲運のスカイライン』だったと、私は思っています。

2001年2月発売 発売当時価格 180円(税別価格)






京商製200系ハイエースのラインナップ中、今では入手困難なモデルです。実車は3型の末期に追加された、『プライムセレクション』と称された限定車で、200系ハイエースとしては初めて『ボルドーマイカ』と言う、紫色のボディカラーが採用され話題になりました。

モデルとしては、単なるボディカラーの追加バリエーションですが、『プライムセレクション』のエンブレムの追加、インテリアもダークグレーの専用色に変更しています。このモデルは海外向けバージョンだったとの事で、国内での正式販売は無かった模様で、当時量販店等で売られているのを見た覚えは無く、また同時期のJコレクション他モデルと、品番や箱の形状とデザインも違っています。

私は当時、ちょっと見掛けない仕様と直感で思い、ネットオークションで手に入れましたが、海外向けバージョンと言う事を、後になってから知った次第です。またネット検索でも出て来る事は稀で、よって冒頭に述べた通り、今では入手困難なモデルとして、特に挙げておきたいと思います。

2013年発売 基本的に海外向けモデルの為、売価不明






元祖ダイヤペット製の1/60スケールのバスシリーズ、今回は北陸鉄道観光バスです。このモデルは北陸地方の玩具問屋が特注したもので、基本的に同地区のみの限定販売品でした。箱には兼六園や曽々木海岸の窓岩の写真が使われるなど、お土産を多分に意識した商品となっています。

モデルはベージュを基本にレッドのライン、ルーフには、特徴的なレッドのトライアングルデザインと、北陸鉄道バス独自のスタイルをよく再現しています。またナンバープレートはちゃんと石川ナンバーが付き、社内番号もそれらしく記されています。

このモデルは1978年の夏、近鉄百貨店あべの橋本店(現・あべのハルカス)で購入したものですが、前回の国際観光バスに続き、この購入時期に大きな謎があり、またこのモデル自体にも謎が残っています。手元の資料によると、このモデルは1975年に、北陸地方で限定発売されたとなっています。しかし私が手にしたのは1978年、しかも大阪で普通に買っています。これは購入した時点でも変に思ったのですが、車種別番号は与えられておらず、また箱には1978年既に消えていた、ダイヤペットエースの称号が残っています。

しかしホイールはプラスティック製で、1978年には既にゴムタイヤではなく、プラスティック製になっていたので、このモデルの購入時期に合致しています。と、言う事はこの個体は在庫品ではなく、1978年に生産された新品と言う事になります。

よってこの個体は、1978年に再生産されたと言う線が濃くなります。しかも大阪で買っている事からも、近鉄百貨店のバイヤーが何らかのかたちで、北陸地方の玩具問屋とコネクションがあり、試験的に近鉄百貨店で売ってみようと言う話になった・・
と、言う推理が成り立ちます。しかし大阪での販売は極少数だったと見え、冬に近鉄百貨店を訪れた時には、売場のショーケースにその姿はありませんでした。

私のバスコレクションには、その長い歴史故に様々な謎があるモデルが多く、しかも購入後何十年も経ってからその謎に当たる事も多く、ミステリーの謎解きをするような感覚で、その想像の世界を楽しんでいます。

1975年5月発売 発売当時価格 1.700円