落としたソフトクリームをコーンとフタで

クリームを集めるように拾い上げ

私を恐ろしい顔で睨みつけた母



今後の恐ろしい展開が予想できた



結局母は必死で車まで歩いて来ました



ドアを開けると怒号と共に

拾い上げたソフトクリームを手渡された


「お前さあ💢

 何度も呼んでるのに

 なんで来ないんだよ💢」


「お父さんが車で行くから降りるなって」


私の言葉など聞かないで荷物を載せてながら

まだ怒号は続きます


「こんなに沢山の

 荷物持ってるの見ながら

 手伝いに来ないなんて

 それでも人間か!」


荷物を載せ終わると

私の横にふんぞりかえるように座りました




ここまでは予想内

この後は想定外




私の手には落とした時に付いた砂で一杯の

ソフトクリームがあります


「お母さんこれ」


食べられる状態では無いソフトクリーム

荷物を置いたらビニール袋か何かに入れ

家に持って帰って処分すると思ってました


「これって何だよ💢」


窓に顔を向け私の方は一切見ないで言いました


「ソフトクリームどうしたらいい?」


「早く食べろ、溶けるだろ」


「でも砂だらけだよ」


「お前が買ってこいって

 言うから買ってきたんだろ

 こんなに必死に

 持ってきたのに感謝せずに

 文句言うのか?

 お前って最低だな💢」

 

こんな状態のものを食べろと言う母

怒りに任せて言っいる事もめちゃくちゃです



このままでは家に着くまでにはドロドロになる

そうなったら車が汚れる事を嫌う父が

また怒り狂うでしょう


ソフトクリームを食べるしかなかった

口の中がジャリジャリするのを必死で

飲み込みました 


悲しさ悔しさ惨めさが込み上げた


いつもは美味しいソフトクリーム 

もうなくなっちゃったと思うのに 

このソフトクリームは食べても食べても

減っていく気がしなかった






何かが欠落している両親



母はカートを返しに行くのが面倒で

カートを置いて来た 

買い物の量からしたらカートを使った方が

早くて楽なのにそれがわからない



父は歩いて母の元へ行くより

このまま帰るのだから車を出して

載せた方が早いと思ったようだが

混雑した駐車場で思うように

車が動かせない事がわからない

動かせても通路に止まって邪魔になる事も

わからない

1つ1つの行動が遅い事にも気付いていないし

母の姿を見て普通の感覚を持っていれば

母の元へ駆け寄ると思うがそれが無いのだ




何よりこの2人がおかしいのは





母は父も母を見て車から降りなかった事を

わかっているのに私にだけ怒りをぶつける

父が降りるなと言ったと言っても

その言葉は無視してひたすら

私にだけ怒りをぶつけ



そんな母を見ても父は

俺が降りるなと言ったからななを責めるな

何て事一切言わないどころか

知らん顔しているのです