学校が休みの時など母の内職に

優ちゃんの家について行く事がよくありました




ある日優ちゃんが

「ななちゃん、これあげる」

くれたのは優ちゃん手作りの巾着袋

私の名前が刺繍してあります

何よりクオリティが高くとても綺麗でした


嬉しかったと同時にこれがあれば

学校のお楽しみ会のプレゼント交換に

参加出来ると思いました 


優ちゃんに

今までプレゼントが用意出来なくて

参加出来なかった事など話しました 




すること優ちゃんは

「わかったよ、プレゼント用にまた作るね」

私の希望を聞いて

大小2つの巾着袋を作ってくれました

しかもプレゼント用に

ラッピングまでしてくれました




3年生最後のお楽しみ会  




初めてプレゼント交換に参加出来ました

輪になって座るのがこんなに楽しいのかと

思いました


ただ教室の隅には参加出来ない子が数人

時間を持て余すようにしてました

今までの私です


なるべく見ないようにしました

参加出来ない時

参加している子達の視線が辛かったから



私に回ってきたプレゼントは

キャラクターの鉛筆と消しゴムでした

友達と見せ合っていると

大きな声が聞こえました


「これなに?

 よくこんなので参加したよね?」


大きな声を出していた子は

当たったプレゼントが気に入らなくて

そのプレゼントを用意した子に

詰め寄っていました


「何?このガラクタ

 それと交換してよ!」


用意した子が当たったものと交換しろと

迫っています


「早くかえてよ!」


用意した子は悲しそうに俯いていました


「もういいよ!

 こんなものいらないよ!」


用意した子の足元に持っていたプレゼントを

叩きつけて教室を出て行きました


用意した子は悲しそうに拾っていました

そのプレゼントは空き箱で作った入れ物でした


みんな突然の事でビックリして見ていました

私もその1人


用意した子の寂しそうな顔

何だか自分の姿を見ているようになり

胸が張り裂けそうでした


「私のと交換するよ」

何故直ぐに言えなかったんだろう


家に帰ってからも 

用意した子の寂しそうな顔が浮かび

ずっと後悔していました




プレゼント交換は

保護者からのクレームか何があったか

わかりませんが 

このお楽しみ会以降学校全体でなくなりました



これが最初で最後のプレゼント交換でした