下校時雨が降り出しました


傘を持って来ていなかった私は急いで

家に帰りました


家に帰ると居るはずの祖母がいません

玄関を見ると私が使っている傘もありません


祖母は傘を持たずに学校に行き

雨が降ってくると下校時間を見計らって

傘を持って迎えに来てくれてました

校門の外で控えめな位置にいる

祖母を見つけると嬉しくて

「おばあちゃん、ありがとう」

駆け寄って傘を受け取り一緒に帰っていました

目が悪い祖母は私が声を掛けるまで

じっと待っていてくれます


傘持って行かなかったから

学校に行ってくれているんだ


学校は住宅街を抜けたところにあり

行き方が無数にもなるので

行き違ってしまったようです


外は雨が強くなり雷も鳴り始めていました

祖母が心配で急いで家を出てました


雷の光と音がどんどん激しくなり

ますます祖母が心配になります


走って学校に向かっていると

頭を打ちつけるような大きな音と

目が痛くなるような光を同時に感じました

思わずしゃがみ込みました


怖かった

同時におばあちゃんは大丈夫かと


暫くして立ち上がると

直ぐ側を歩いてたおばさんに

「危ないから早く帰りな」

と言われましたが帰れない


更に急いで学校に向かいました


いつもの位置に祖母がいました


「おばあちゃん」


駆け寄って


「ごめんね、今雷凄かったね」


祖母

「ああ、ななちゃん

 あれ今日は行き違えちゃった?

 ごめんな、今のは凄かったね

 ななちゃんは大丈夫だったか?」


「うん」


祖母に会ったら安心して涙が出ました 

そうこうしてるうちに雨も雷も弱くなり

祖母とゆっくり帰りました


翌日

昨日の雷が近くに落ちたと学校で

話題になっていました


 

ただ 

優しい祖母のお迎え

これが最後になりました 

雷のせいではありませんが