祖父母宅での生活が始まりました
朝目を覚ますと母が食事の準備をしています
家での食事の準備とは違いとても楽しそう
祖父母と食べる食事も
母はとても楽しそうでした
祖母も楽しそうでした
祖父は無言で食べ暫くすると
1人パチンコに行く
これが朝のルーティンになりました
朝食の後は親戚まわりをしたり
母の思い出の場所巡りや観光地に行ったり
家の周りの自然で遊んだり
全てが楽しかったのは
初めての経験ばかりだった事もありますが
やはり母がいつも笑顔だったから
普段人前で私を悪くしか言わない母が
悪く言う事もなかったのです
兄は相変わらずでしたが
私に対しての意地悪言動に気付くと
祖母や叔父が注意してくれました
(兄はいつもやっている事で注意される
意味がわからなくて不満気でしたが)
私がおかしいと思う事を同じように思い
注意してくれる人がいるのも
居心地良かったです
母と兄の3人に不安もあったし
1か月って長いなと思っていましたが
あっと言う間に過ぎていきました
祖父母宅から帰る日がきました
母は寂しそうに泣いていました
祖母もタオルを握りしめ泣いていました
祖父は相変わらずの素っ気ない感じでした
祖父とは1か月殆ど会話しませんでしたが
1度パチンコ帰りに
焼き鳥を買ってきてくれました
私
「おじいちゃん、おいしいよ」
祖父
「ああ」
少し照れているように感じました
それが祖父との唯一の思いです
祖父は私が中3の時に亡くなりました
この初対面が最後でもありました
また会えると思ってました
でもよく考えれば9歳にして
初めて会う祖父母
母が帰省するのも10年ぶり
または遠い
そんな事に
幼くて気付きませんでした
母が帰省しない?できない?事情は
私の見解をまた書いてみよう
この後母が帰省したのは
祖父の葬儀です
そんな未来を知らない私は
祖父母との別れは寂しかったですが
次子おばさんの家に行ける嬉しさの方が
勝っていました