小学4年になって直ぐの頃

兄が突然犬を連れて来た 

道路脇の段ボールに入っていたと


柴犬程の大きさの多分雑種

どこかで飼われていたんでしょう

とても懐っこくって可愛かった


飼いたいと母にせがむ兄

私がそんな事したらブチ切れからの無視確定

兄に甘い母は困っていた


そこに

たまたま家に来ていた安子ちゃん

「そんな捨て犬やめときなよ」

割って入ってきた

「私の知り合いのペットショップに

 子犬見に行ってみれば?」

文字にすると凄く言葉だか

安子ちゃんは困っている母に

子犬を見せて捨て犬の事から

兄の気をそらせようと思ったらしい


「その犬はいた所に返してきなよ

 今からペットショップ行けばいいじゃん」

続けて母が

「返して来たらペットショップ行こう」


兄は渋々返しに行った



その日父の帰りを待って 

父母兄私で安子ちゃんの知り合いの

ペットショップに行きました

ただ見るだけで 

今日突然買う事はできない約束で


ずっと不貞腐れていた兄が

ペットショップの中に入った途端目が輝いた


そこにはマルチーズの子犬の兄弟が

5匹いました

兄貴だけでなく私も余りの可愛さに

テンション上がります


兄が言い出しました

「飼いたい」


兄に甘い母

人前でいい顔がしたい父


兄が畳み掛けます

「お願い飼いたい」


すると


「ちゃんと面倒みれる?」


「うん!」


「散歩もちゃんと行ける?」


「うん!」

「ななからも頼んでよ」


「お母さん、飼いたい」


「ちゃんと散歩も行って面倒みてよ」


「うん」


可愛さの余り言ってしまった


この会話

守らされるのは当然私だけになりますが



5匹の中で1番元気のいい子を

連れて帰りました


「ポコ」と名付け

20年程我が家で暮らしました




ポコを連れ帰る車の中で

昼間の捨て犬が気になりました


ポコは可愛い

でも結局飼うなら昼間の犬でも

良かったんじゃないかと


愛想良くて可愛いかった

いい人に拾われているように願いました