大好きな人でした おねがい

あの家の中で唯一
私に優しかった人

白内障を患っていて
徐々に目が見えなくなっていき
私が中学生の頃には
1人で散歩に行く事さえ出来なくらい
見えなくなっていた



手術すれば見えるようになるのだか

母は祖母の目の話になると

「手術するように言ってるし
手術の日程を決めたら
(怖くて血圧が上がってくる)
って言うからできない
私のせいじゃない‼︎」

といつも怒った


それでもまだ1人で歩けてた頃は

急に雨が降れば学校まで
傘を持って来てくれたり

一緒に散歩に出かけたり

穏やかな時間でした



でも母は祖母を毛嫌いしていた

初対面時感じ悪かったから始まり
あんな事された
こんな事された
悪口が永遠に続く


そう言う母に兄は

「辛かったね
それでも面倒をみる母さんは
すごいよ!」

と絶賛する
母は

「一男はなんて優しい子なの!」

となるのだ



私は母がどんなに祖母の悪口を言っても
嫌いになれなかった

だいたい
あんな事もこんな事も
私は見た事がないし

兄のようになれない

これが母の怒りを買い
酷い子•冷たい子
私が異常だとなるのだ



何年か前に数少ない友達が

お母さんとお婆ちゃんが
折り合い悪くて
お母さんがいつもお婆ちゃんの
悪口言っていたけど
お婆ちゃんを嫌いになれなかった
と言ったのを聞いて
やっぱり私は異常じゃなかったと
ほっとした


晩年は
座って1日中ラジオを聴いて過ごす日々

さみしそうで
なるべく祖母と話をするようにしたが

母は


自業自得だ‼︎

と言って
祖母には冷たかった


何か手助けなどすると
またそれが面白くないらしく
私と祖母に更に冷たくなる

自分が冷たくされるより
祖母が冷たくあたられるのを
見るのが辛かった