或るブログで「サン=サーンス 交響曲第3番 オルガン付」でのパイプオルガンの重低音を「ドライアイスが迫ってくるような」と表現した人がいた。そう! それ!
生演奏を聴いてお腹が圧迫され気持ち悪くなったという人もいた。
地鳴りのように大波が部屋を飲み込むと同時に全ての毛穴から侵入し全身を鳥肌立たせてから脳天を突き抜け去っていく ... 感じ。
この不思議な快感は何だろう。薬物中毒者が何回逮捕されても断ち切れないのと同じ構造なのだろうか。一度体験してしまうと泥沼だ。
話を戻すと、
「ドライアイスが迫ってくるような」と表現した人は、オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏(1962年)を指して語っている。
早速CDを買って聴いてみた。ついでに、シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団(1982年)、シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(1959年)との聴き比べもした。
3枚共「オルガン付」ではあるがパイプオルガンの重低音を聴かせるのは、オーマンディ盤だけ。煌びやかなピアノや華麗なストリングスは他の2枚に一歩譲るが荘厳な演奏に圧倒される。
モノ好きついでに重低音とは何者ぞ を知りたくなり「SUPER BASS SOUND」なるCDを入手した。
1⃣~9⃣の重低音サンプル曲は ... ん~ 微妙。こんなんじゃないんだよなぁ。
周波数別のテスト信号だが、そもそも 12.5、16、20、25Hzは一般的なスピーカーでは出せない帯域だからわずかに倍音が聴こえる程度。40Hzあたりからはっきりとスピーカーが唸り出すが、連続30秒ずつ鳴らされちゃスピーカーがイカレちまうなと恐くなった。
それぞれの帯域がどんな感じなのかは大体理解したが、曲の中にあってこそ重低音は活きる。しかも連続30秒もではなく。
現在10℃でも前日との気温差で暑くも寒くも感じる体感温度と同様、主旋律の歌声や楽器の種類によって重低音域の60Hzが40あるいは100に感じることはないだろうか。その違いは部屋、バスレフと密閉型、さらにはスピーカーの見た目でも音の印象は異なってくるだろう。だからオーディオは楽しいのだが。
マーク・ノップラーのアレほどではないが、冒頭から静かに唸るネイザン・イーストの重量ベース音が心地良い ↓
↓ ベースのゲイリー・セイン節たっぷり。これぞ70年代前半のヘヴィーロック。爺には堪りません。要らん? まあまあ、そう言わずにw