すレコード No.0063
BREAD / GUITAR MAN
Release date : 1972.10 (Elektra 75047)
Date first charted : 1972.11.18
Peak position : #18
Total weeks charted : 29
本作からは4枚のシングルを発売。
()内 # = Billboard Adult Contemporary Chart
* = Billboard HOT100
● DIARY ダイアリー (#3, *15)
● GUITAR MAN ギター・マン (#1, *11)
● SWEET SURRENDER スウィート・サレンダー (#1, *15)
● AUBREY オーブレイ (#4, *15)
ブレッドは本来なら秋冬の寒い時季に暖かい部屋でゆったり聴きたいのだが、LPレコードブログのAが終わってBに入ったのでまずは初登場にふさわしいバンドをということで。
BEATLES, BOB DYLAN, BILLY JOEL, BETTE MIDLER, BRUCE SPRINGSTEEN, BLACK SABBATH, まだまだたくさんあるが・・やっぱりブレッド。
Bならまずはビートルズだろが、けしからん! といった類の異論反論は完全無視。こういうのは単なる好みなんで。
特にビートルズ、ボブ・ディランとなると目の色を変えて高論卓説をまくし立てる輩がいるので苦手だ。何らかのパーソナリティ障害か? だからビートルズの曲は好きだけどビートルズ・マニアは嫌い。モダン・ジャズでも中には好きなアーティストもいるがジャズ喫茶のあのうす暗い独特な雰囲気を想像すると素直に浸れないのと同じ。
ビートルズもボブ・ディランもLPはそれなりに揃っているけれど、上記の理由からブログでは取り上げない予定。触らぬ神に祟りなし。
1970年から洋楽にどっぷりの世代なら、カーペンターズ、ブレッドなどの優しいメロディーと歌声に惹き込まれたはずで、後にいろいろなジャンルの音楽を聴くも、肌に馴染んだあの音はまさにエバーグリーン。
自分にとっては、ブレッド=デヴィッド・ゲイツ。
オフコースなら小田さん、サザンのアルバムなら桑田さん以外のヴォーカルが出てくると大いに違和感あるのと同じ。昔はそういうのを除いてカセットに録音して聴いていた。CDだとプログラムやデリート機能があるから便利になった。
しかし面白いもんで、じゃあジェームス・グリフィン&ロブ・ロイヤーなどの曲が混じっているブレッドのアルバムよりデヴィッド・ゲイツのソロ・アルバムのほうが良いかというと必ずしもそうではない。例えばピンク・フロイドがそうであるように。
1970年前後のプログレが四大とか五大とか言われる中でピンク・フロイドは、一人の天才の暴走?を三人が抑えつつまことに妙なバランスを保った名作を発表し続けて抜きんでた存在だった。が、ロジャー・ウォーターズ不参加の「鬱(1987)」以降は気の抜けたサイダーばかり。ギルモア大好き人間だった私もさすがにその凡人ぶりに落胆した。一方、唯我独尊のロジャーはエリック・クラプトンやジェフ・ベックを迎えての売れ線狙いも肩透かし的なミスマッチ。ピリピリし過ぎて聴いていて肌が痛い。歌詞の意味が分ったら尚更かも。この人、昔から日本を敵視していて随所にそれを表しているが、1940年代じゃあるまいし今の日本人をそんなに嫌わんでも ...
デヴィッド・ギルモアのギターはどのアルバムにも名演奏がちりばめられていたが、個人的にはロジャー在籍のラスト・アルバム、ファイナル・カットの「ザ・フレッチャー・メモリアル・ホーム」での刃物で内臓をえぐるようなギターソロはまさにギルモアにしか表現できない狂気の世界。「タイム」や「コンフォータブリー・ナム」が小綺麗に聴こえてしまうのは私だけか。小音量ではえぐれないので近所迷惑覚悟のしこたま大音量でw
バンドとは不思議な共同体だ。誰か一人抜けると味が変わる。エグいロジャーとギターが上手い常識人のギルモアが織りなすぎりぎり危なくて足を踏み外すと怪我をしそうだがぎりぎり心地良く且つ手の届かぬ遠い世界の「ファイナル・カット」までのフロイドとその後のように。
閑話休題。
一家に一枚あってもいいなのブレッド。
左から、
ベスト --- 2,430円
アンソロジー(ベスト) --- 1,247円
1st~5thアルバム・セット --- 2,612円
5枚も要らないならベストかアンソロジーの二択だが、私ならアンソロジーを薦める。大方のヒット曲は共通で、デビュー・シングルの「灰色の朝(1969年)」が入っているか否かの違い。だがこれはとても大きな違い。
ビルボードではチャート・インしなかったものの、日本では「二人の架け橋(1970年)」や「イフ(1971年)」のヒットに乗じて3年遅れの1972年にシングル発売された。時代を超えた名曲「イフ」よりも当時はこちらのほうが有名だった。この「灰色の朝」で初めてブレッドを知った人も多い。
ただ、ビリー・ジョエルのストレンジャーもそうだが日本人は洋楽の歌詞がわからずメロディーと雰囲気だけでの好き嫌いなので・・・だからヒットしたんだと思う。
こういう歌詞の曲をファースト・アルバム(1969年)のA面1曲目に持ってきて、しかもデビュー・シングルにするという・・・挑発的というか大胆。ヤワな愛だの恋だのばかりな軟派バンドじゃねーぞといった主張だろうか。それにしてもメロディー・リズムと歌詞のギャップが凄い。
1972年、ブレッド流とびっきりのポップ・チューン「灰色の朝」
* チャートは Billboard(U.S.A.)資料による。