横浜の港から吹いてくる冷たい風の中で、8年前にこの街を出て行ったブラザー・ジョーを想う男がいる。
トシ・スミカワ。増田俊郎の作詞家としてのペンネームである。
ブルースロッカー・柳ジョージのハードボイルド面の一翼を担う重要人物だ。
FENCEの向うのアメリカ
プリズナー
FOR YOUR LOVE
センチメンタル ナイト
ハーバー・フリーウェイ
コイン ランドリィ ブルース
荒ぶる天使たち
YOKOHAMA '66
他にも数え上げたらキリがないけれど、
柳ジョージ&レイニーウッド 1979年11月発売4thアルバム「RAINY WOOD AVENUE」
B面2曲目の「ブラザー・ジョー」
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Brother Joe お前がこの街を出てから
8度目の冬が今 通り過ぎてゆくよ
人の心も 街の姿も 変わってしまったけれど
港から吹いてくる冷たい風はあの頃と同じさ
Brother Joe お前は何を追いかけていたんだい
生まれる前から背負わされた 掟の嵐の中を
抱えきれない運命(さだめ)の重さに耐えかねたお前が
波止場の淵に屈み込んで つぶやいた I'm not Guilty
Brother Joe お前の眼は何かを見据えていた
黒い肌やちぢれた髪を笑う他人(ひと)の腹かい
沖に消えてく船を見ながら 肩を震わせて言った
きっといつか俺を迎えに船がやって来る
何をされても笑っていたお前の胸の中には
数えきれない十字架が突き刺さっていたんだろう
Brother Joe 待ちわびた船はついに来なかったけれど
お前の哀しい願いは海を渡ったんだろうか
Brother Joe お前がこの街を出てから
8度目の冬が今 通り過ぎてゆくよ
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トシ・スミカワが書いた物語、だが、
重い詩にレゲエのリズムに軽やかなギター&スラップベース演奏。この明るさは、まるで実在する友を元気づけるためのような気もするし、柳ジョージが一つひとつの言葉をしっかりと噛みしめるように唄っているのは、去って行った(去らざるを得なかった)仲間の幸せを願う気持ちのような気がする。
自分の大切な友人のような気がしてきたw
Brother Joe 今どこで何をしているんだい?