事の始まりは通学路にある踏切。

踏切は竹でつくられることが多いらしい。

その竹はべつに踏切になりたくて生えてきたわけじゃないと思う。

なのに人間がその竹のどこに惹かれたのか、
ただそういう運命だったのか踏切になった。

本来の自然な緑からは考えられない奇抜な黒黄にぬりたくられて、
ただひたすら上げ下げさせられ、耳元でけたたましく鳴り響く音に悩まされる毎日。

雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ、時には無理やり横断してくる人間を必死に止める。
にもかかわらず減らない事故。

竹はそんな人生(竹生?)を望んだのだろうか…

竹はただまっすぐ伸びたかっただけかもしれない。

たくさんの竹の子に囲まれて老後を過ごしたかったかもしれない。

はたまた一度でいいから夏の暑い日に楽しい笑い声に包まれながら、素麺や水を流されたかったかもしれない。

楽器になって綺麗な音を奏でたかったかもしれない。

そんな竹の夢は……