続きです




その夜、私と母はマンションに泊まる事になった。
泊まる部屋は和室だ。
リビングの隣りでふすまで仕切られている。
彼母がこの部屋は布団一枚被るだけで暖かいと自慢げに話していた。確かに暖かかった。

バスルームはマンションだけに狭いし、築15年経っていて年期が入ってる感じ。


お風呂も済ませ、3人で雑談をした。
母は先に和室へ行き休む。


2人になってから、また話し込む。
話題は彼の父の話へ。

彼父は10年前に肺がんになり、東京の大きな病院で手術する事になった。手術は成功したが、急に病変し亡くなった。その同時刻に彼の夢の中に現れ、いつも来てたセーターを探していた。その瞬間目が覚めてすぐ東京へ向かったが、すでに亡くなっていたらしい… 不思議な体験だった。

その頃、彼は兄と一緒に働いていた。エアコンの設置や修理の下請け業者だった。兄は営業を、彼は他のスタッフと現場作業をしていたが、色々と兄への不満から家出をした。何もかも嫌になり自殺をしたいとさえ思った… 車で友人が暮らす長野まで走らせた。
彼父と母は連絡がつかない自分を一生懸命に探した。特に彼父は肺がんを患っていたにも関わらず寒い冬の中、自分を探してくれた。

その時だ。
涙を流しながら彼は話す。

父に本当に申し訳なかった、あの時あの行動をしていなければ早くに死んでいなかったかも… 


私は居た堪れなくなってぎゅっと彼を抱きしめた。
私が彼を守ってあげたいと思ってしまったのだ…















旧姓に戻ったら買おうかな。

名前変わるといちから揃えなきゃ。

お酒飲めないからノンアルコール頼んじゃう❣️