家に帰り、両親にプロポーズされたことを話した。家族みんな喜んでくれた。

早速、次の週の土曜日に彼の住んでるマンションへ母と二人向かうことになった。ホテルを取り一泊する予定にした。

当日、母と新幹線に乗り、新幹線から電車に乗り換え最寄り駅に到着。駅を出ると彼が車で迎えに来てくれていた。初めて来る場所だ。周りを見渡せば、田んぼも多くて都会とは程遠いが、阪急線に乗ればすぐ都会へ行ける。実家近辺と変わらない風景だが、人口がちがう。歩いてる人がちらほら見えた。

重い荷物を車に積んでもらい彼のマンションへ向かった。
マンションの入口で降りて、彼が立体駐車場に車を入れるのを待つ。ここが、結婚したら住む場所なのかぁ。6階建てで2階角•3LDKに住んでるらしい。
私のイメージとしては、マンションは高いとこに住むから価値あるものなんじゃないのかなと。なぜ2階を選んだのか不思議だった。

エントランスのインターホンを押すと、〝はい〟と彼の母親が返事をした。
2階なのでエレベーターに乗るとすぐ着き、降りてもすぐ隣で部屋まで行きやすかった。

ドアが開き、母親が迎えてくれた。

まずはリビングルームへ案内された。

第一印象は、、15年前前くらいに流行った作り方みたいだ。そして、おばあちゃんの家?に来た雰囲気だった。家具やインテリアが全然好みでない。和室と寝室には鶴や松の木の立派な刺繍がか飾られてあり、リビングのサイドボードの上にはカントリー調の花の絵が。サイドボードもひと昔のようなもの。中には写真立てが飾られていた。彼の父親のようだ。10年前に亡くなっているらしい。
てか本当に彼1人で住んでるの??
一瞬固まった。決して男性一人で暮らしている雰囲気では全くない。

まー、彼の好みだし結婚したら徐々に自分好みになるだろうと目をつぶった。

リビングの窓からはバルコニーが見えた。外に出ると冷たい風がビュービューと吹いていた。真下には駐輪場、その奥には大きな田んぼ。日当たりは良さそう。

彼の母親が言った。家具類は一式揃えており、食器類や布団も何もかも準備している。あとはタロちゃん身一つ来てもらったらええで!と冗談まじりで母に言った。あーなるほど、彼の母親が揃えてたんだ。
母からは良かったねと。いやいや、全然嬉しくないんですけど…私は自分で貯めたお金もあるし、新婚生活はなるべく自分たちでお気に入りを揃えて生活していくのが夢だった。それが一気に崩れた。

続く












安くて可愛い💕