システマティックレビューの定番?PRISMA 2020 声明とは? | こつこつ行こう!

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日々の業務で遭遇する外傷などをまとめて(!?)います。

論文を読みまくってその結果をまとめた論文(ややこしい)がシステマティックレビューです。
この手の論文でよく出てくるのが、「PRISMA 2020」です。

・PRISMAとはなんぞや?
PRISMA は、システマティック レビューおよびメタ分析で報告するための、証拠に基づいた最小限の項目セットです。

Preferred Reporting Items for Systematic reviews and
Meta-Analy(系統的レビューおよびメタ分析のための報告に関する推奨事項)の略です。

システマティックレビューを実施する研究者においては、PRISMAの理解は不可欠である。(うぉぉぉ)

極論をいえば、システマティックレビュー書くならこれ守って書け、推奨だけどほとんど強制だからな。って感じのルールみたいですね。

2020って書いてあるけど作ったのは2021年、実は2009年にベースができてたけど改良されたって経緯もあるようです。
あと、前のバージョンと一緒に使うな、ってか細心の奴しか使うなって感じです。

内容は、論文読むルールと自分の抄録作る場合のルールの構成。

論文読むルールは40項目くらいチェックする必要があります。
説明できないので頭のいい人、ご覧ください。
http://www.prisma-statement.org/documents/PRISMA%20Japanese%20Table%201.%20PRISMA%202020%20item%20checklist.pdf

ようは、くそめんどくさい方法なので、沢山の論文をやろうとしたら過労で斃れます。
なので、一次スクリーニングで論文を減らして、最低限の論文でやるのがおすすめだと思います。


抄録作るルールはこんな感じです。

タイトル:システマティックレビューって書け
目的:なんでやったか
方法:なに除外したか、どっから探してきたか、バイアスリスク(誤った結果と結論に導く恐れがある体系的なエラー、とんでも論文にぶち当たる危険性)をどうやって判断したか、結果と読んだ論文のまとめ方も書いて。
結果:どんな研究を採用した?何人で読んだ?要約もしてくれ。
メタアナリシス(似たような研究を集めて結果を合わせて分析したもの。モモの筋トレやったらモモが太くなったという感じの結果を具体的な数字でしめした感じ。)の場合は要約推定量(データの分布の特徴を記述したり要約するために必要な指標)と信頼区間(適当に抜き出したデータがメイン集団の平均にどのくらい含まれているか、通常は95%に設定)を書く
考察:エビデンスの限界を書いてくれ、結果も明らかに分かることを解釈にしてくれ、何が重要か教えてくれ。
その他:誰かから金貰ったら書いてくれ、登録の名称と登録番号を記載してくれ。

システマティックレビューのルールを作ってくれたのはうれしいが、プロ向けのルールなのかとにかくめんどくさいです。



あと品質評価でnewcastle-ottawa scale(ニューカッスル オタワ スケール)を併用することもあるらしいです。
※オーストラリアのニューカッスル大学とカナダのオタワ大学の共同研究として開発されたらしい。
オタワって確か捻挫の判定スケールもやってたような・・・やり手だな。

こいつは、次の項目をやるらしいです。和約は自己責任でやってください。

ニューカッスル-オタワ品質評価スケール - 症例対照研究
注意: 選択と曝露のカテゴリー内の各番号付き項目に対して、研究は最大で1つ星を獲得できます。比較可能性に対しては最大で2つ星が与えられます。

選択
1) 症例定義は適切ですか?

a) イエス、独立した検証あり (星つける)
b) イエス、例えば記録連携または自己申告に基づく
c) 説明なし

2) 症例集団の代表性

a) 連続的または明らかに代表的な症例シリーズ (星つける)
b) 選択バイアスの可能性がある、または記載がない

3) コントロール群の選択

a) 集団コントロール (星つける)
b) 病院コントロール
c) 説明なし

4) コントロールの定義

a) 疾患 (エンドポイント) の既往症がない (星つける)
b) ソースの説明がない

比較可能性
1) デザインまたは分析に基づく症例とコントロールの比較可能性

a) 研究は _______________ をコントロールする (最も重要な因子を選択してください) (星つける)
b) 研究は追加の因子をコントロールする (星つける)  (この基準は、2番目の重要な因子を特定してコントロールすることを示すように修正できます。)

2) 曝露

a) 信頼できる記録 (例えば、手術記録) (星つける)
b) 症例/コントロールの判定に盲目な体系的な面接 (星つける)
c) 症例/コントロールの判定に盲目でない面接
d) 書面による自己申告または診療録のみ
e) 説明なし

3) 非回答率

a) 両群とも同じ割合 (星つける)
b) 非回答者が記述されている
c) 割合が異なり、指定なし

ニューカッスル-オタワ品質評価スケール - コホート研究
注意: 選択と転帰のカテゴリー内の各番号付き項目に対して、研究は最大で1つ星を獲得できます。比較可能性に対しては最大で2つ星が与えられます。

選択
1) 暴露コホートの代表性

a) コミュニティ内の平均的な _______________ (説明) を真に代表している (星つける)
b) コミュニティ内の平均的な _______________ をある程度代表している (星つける)
c) 選択された利用者グループ (例: 看護師、ボランティア)
d) コホートの由来の説明がない

2) 非暴露コホートの選択

a) 暴露コホートと同じコミュニティから抽出 (星つける)
b) 異なるソースから抽出
c) 非暴露コホートの由来の説明がない

3) 暴露の確認

a) 信頼できる記録 (例えば、手術記録) (星つける)
b) 構造化面接 (星つける)
c) 書面による自己申告
d) 説明なし

4) 研究開始時点で対象の転帰がなかったことの証明

a) イエス (星つける)
b) ノー

比較可能性
1) デザインまたは分析に基づくコホートの比較可能性

a) 研究は _____________ をコントロールする (最も重要な因子を選択してください) (星つける)
b) 研究は追加の因子をコントロールする (星つける)  (この基準は、2番目の重要な因子を特定してコントロールすることを示すように修正できます。)

転帰
1) 転帰の評価

a) 独立した盲検評価 (星つける)
b) 記録連携 (星つける)
c) 自己申告
d) 説明なし

2) 転帰が発生するのに十分な追跡期間だったか?

a) イエス (対象の転帰にとって適切な追跡期間を選択してください) (星つける)
b) ノー

3) コホートの追跡の妥当性

a) 完全追跡 - 全被験者が把握されている (星つける)
b) 追跡不能となった被験者がバイアスをもたらす可能性が低い - 少数の追跡不能 - > ____ % (適切な % を選択) 追跡、または追跡不能となった被験者の説明が提供されている (星つける)
c) 追跡率 < ____% (適切な % を選択) で、追跡不能となった被験者の説明がない
d) 記載なし



感想:
論文読んだだけで論文書けるなんて、めっちゃ楽だと思ったら、普通にきつい奴です。システマティックレビューは、我こそはという人がやってください。
この記事もシステマティックレビュー作りにあたってのバイアスリスクとしてはじかれるんだろうな・・・。