みなさんは、「マルタ共和国」を知っているだろうか?

まるで船が宙に浮かんでいるようにさえ見える非常に透明度の高い海と、その上に建つ美しい城塞の景色が有名な、東京23区の半分ほどの面積しかない地中海に浮かぶ小さな海洋国家である。

マルタはその地理的要因から勘違いされがちなのだが、決してイタリアの一部ではない。

ちゃんとした独立国家である。

 

昔はイギリスの支配下にあったため、今でも公用語は英語が使われており、カフェではイングリッシュブレクファストがいただけたり、紅茶にミルクがついてきたり、赤い電話ボックスがあったり、日本と同じ右ハンドルだったりと、街角では英国の名残りを感じとれる。

 

今回は女子旅ということで、全日程、大変楽しい思いをさせていただいたのだが、この国との出会いは本当に心に刻まれる思い出となった。

 

というのも、昔、沖縄ダイビングの時のブログでも書いたが、私は海がどうしようもなく好きで、ここ、マルタにも「ブルーラグーン」と呼ばれる大変美しい海があると聞いて前々から目をつけていたのだが、この度、友人のうちの一人がマルタに行ってみたいと言ってくれたので、ついに訪れることが実現したのだった。

基本的に、マルタは常夏の島ではないので、海水浴シーズンは6〜10月と言われている。

11月になると、日中最高気温は23度程度までしか上がらず、水温も20度前後と少し冷たい。

 

・・・が、入った。

一つ言っておくが、私のアタマがおかしいのではなくて、美しすぎるマルタの海がいけないのだ。

この景色を前にして入らないなんて選択肢があるだろうか。

 

この時の水温は19度。

人間は22度以下だと体のパフォーマンスが通常よりも数十パーセントも低下すると言われている。

銭湯の水風呂の温度設定が16度やそこらだから、これはまあまあ冷たい。

 

とはいえ、天候は晴れで太陽光があったため、ずっと浸かってはいられないが、少し泳ぐぐらいならできた。

陸に上がっても凍えるほど寒い訳でもなく、更衣室まで歩いて行く時でさえ鳥肌は立たなかった。

 

ちなみに、この時海に入っていたのは決して私一人ではない、ヨーロピアンたちもまあまあの人数が気持ち良さそうに泳いでいた(あいつら平熱が高いからな)。

 

これにて、マルタの海水浴シーズンは6〜11月までと締めくくろう(※あくまで個人の見解です)

 

 

11月でもかろうじて海水浴が可能であることが確認されたあとは、旧市街をはじめとするマルタ観光に出かけよう。

 

首都・バレッタの対岸に位置する「スリーマ」という街に宿泊した私たちは、バレッタまでを結ぶ定期船で安く移動できた。

バレッタのほうが観光の中心ではあるのだが、このようなマルタらしい光景が見れるのも、対岸の街・スリーマに泊まる特典である。

 

マルタといえば、見た目にもかわいらしいカラフルな出窓も風物詩の一つだろう。

 

全体的にくすんだ色合いや原色が多いのに対し、中には珍しいライラック色も。

 

夕焼けが美しい高台にある「アッパー・バラッカ・ガーデン」もバレッタの見どころの一つである。

 

中世の絵画とかに出てきそうな地上の楽園(エデン)的雰囲気がどことなく漂っていると感じるのは私だけか。

 

また、人気作『ゲーム・オブ・スローンズ』のロケ地として有名な「イムディーナ」という街にある旧市街も、マルタに行ったからにはぜひ訪れたい場所である。

 

この地に伝わる美しき「イムディーナガラス」の伝統工芸は自分へのとっておきのお土産だ。

 

 

旧市街の中には、こんなに景色のいいレストランもあった。

 

ちなみに、イムディーナグラス・バレッタグラスをはじめ、マルタの伝統的なお土産が一堂に会した「タ・アーリ・クラフトヴィレッジ(Ta' Qali Craft Village)」もお買い物好きにはたまらない場所である。

今回は足を運ばなかったが、手前の原色使いの小舟はマルサシュロックの漁村で見られる伝統的な船である。

マルサシュロックは日曜日ならマーケットがやっておりそれなりの賑わいを見せるので、フォトジェニックな景色を撮りに訪れてみる価値があるかもしれない。

 

さて、どんなお店があるかチェックしてみようか。

先ほどの旧市街にあった店よりも断然品揃えが豊富なイムディーナガラスショップ。

工房では職人さんがまさにガラス工芸を作っていたところだ。

彼らは目があってもニコリともせず、まるで生まれてくるとき“愛嬌”をお母さんのお腹の中に置いてきたんじゃないかってぐらい無愛想なおじさんばかりだった。

 

こちらは一つ一つ丁寧に作り込まれたマルタ刺繍。

カラフルな陶器類もあった。

 

可愛らしい手作り石鹸もプチプラで買えてお買い得。

 

 

他で買うよりも全体的にお値段安めで嬉しい。

 

イムディーナの街から市バスでたった5分ぐらいだから、ちょっと足を伸ばしてみるのもいいかも。

 

最後に、マルタ本島の上にもう一つ、「ゴゾ島」という離島がある。


ゴゾにはチタデルと呼ばれる大要塞があり、そこから街を一望できるようになっている。

世界的に見ても良質なはちみつが採れることで知られるゴゾハニーとそれを使ったクリーム、ゴゾの塩はここの特産品だ。

 

 

 

 

 

 

 

〜Practical Information〜

 

今回、私たちが参加したツアーはこれ。

ゴゾ島、コミノ島、ブルー・ラグーン、洞窟ツアー

これは1日で、ブルーラグーンのある「コミノ島」や、本島とひと味違った雰囲気を味わえる「ゴゾ島」に、€25程度で連れて行ってくれるお得なプランだ。

 

通常、コミノ島やゴゾ島へアクセスするためには、本島北部の船着場まで自力で行く必要があるが、マルタの信用できない公共交通機関にはできるだけ乗りたくないので、あらかじめ上記ツアー会社にお願いをしておけば、往復€5でバレッタやスリーマまで送り届けてくれるからこのサービスもぜひ利用したい。

 

また、ゴゾ島は離島とはいえどまあまあ広いので、たった3時間ほどの立ち寄りで効率よく回るために、別途€5払ってでも、ゴゾ観光ツアーに参加して車に乗せてもらったほうがいい。

 

 

さて、せっかくなのでぜひマルタ料理も堪能したい。

 

街角のあらゆるところでイギリスを感じるので、ご飯事情がちと心配にならんでもないがご安心いただきたい。

料理はイタリアの影響を存分に受けている。

タコのグリルなど、海鮮料理が豊富なところをみると、シチリアの影響を濃く受けているようにも感じる。

当然、魚介は日本人の口に合うのでうまい。

レストラン「Ta' Kolina」にて撮影。

 

四つ星ホテルマンオススメ、スリーマの海鮮が確かに美味しかったレストランが「Portopalo」。

 

写真奥の平皿に盛られてるのが、ソードフィッシュのカルパッチョ。

ヨーロッパに来て初めて魚のカルパッチョなんて洒落たものいただいたわ。

それぐらい生魚は日本以外では珍しいのである。

 

こんな店内なのにお値段は以外にリーズナブルなところも嬉しい。

 

また、うさぎの肉を使った料理も味わっておきたい郷土グルメの一つだ。

訪れたのは、スリーマの繁華街に位置する「Ta' Kris」。

 

手前の料理はうさぎの肉を使ったボロネーゼみたいなパスタ。

奥もうさぎ肉の煮込みで、まるでベルギー料理をいただいている気分である。

どれも味付けは満足できるものばかりだった。

 

こちらはゴゾ島のランチで立ち寄ったお店。

店内インテリアはごりごりのイギリス風なのに、

メニューはごりごりのイタリアンである。

(ホームメイドラザニアとかいうメニューだが、これが結構うまかった)

 

イギリスとイタリアを同時に感じれる国なんて、世界でもここだけなんじゃなかろうか。

このちぐはぐさがマルタの魅力の一つかもしれない。

 

 

最終日はのんびり海沿いを散歩でもして朝カフェへ。

 

のんびり遅起きしてブランチだなんて、贅沢だなあ。

せっせか動いて一つでも多くの観光地を巡るのもいいが、あえてのんびりするのも旅の醍醐味である。

(この朝カフェは、おそらく「The Road Devil Sea Front」というお店だったような・・・うろ覚え)

 

カフェ近くではダイビング講習中の風景も。

あ〜海はいりてええ(←昨日入ったやろ)

 

そんな感じであっという間の3泊4日の旅行でした。

住んでいるオランダ・アイントホーフェン空港からなんと直行便が毎日では無いものの出ており、気軽に行けるのも魅力。

 

来年の夏、まだオランダにいるならぜひまたあの美しい海を

この目で拝みに行こう。

 

 

<本日の一枚>

オランダは、最近よく霧がかかるようになってきた。

 

昼の霧は太陽を遮ってうざいが、夜は幻想的になっていい。