一本技の積み重ねが、二段技・三段技になることは言うまでもない。二段技や三段技を行うためには、その基礎である一本打ちの習得が、当然必要になってくる。そしてまた、正しい一本打ちを行うためには、素振りをすることが大切である。素振りをすることにより手の内がつくられ、気剣体一致の一本打ちができるようになり、なおかつ打突後も体勢が崩れないようになる。

 基礎とは、構えや体捌きや竹刀の操作などの、有効打突に結びつけるための、原理原則である基本動作・打ち込み・切り返しおよび懸り稽古をいうのである。それを頭の中ではなく、身体で覚えることが大切である。

普通基礎というと、初心者のうちに習得してしまったと思っているが、これは大変な間違いである。新型コロナウイルス対策で十分な稽古ができない今こそ、もう一度頭の中にしまい込んだ基礎を素振りから固め直してみては如何でしょうか。