発表会の曲《15》
2024年8月21日
8月後半。
暑さとエアコンの快適な空気に触れるギャップから、夜になるとどっと身体は重く、子供達と夕食を済ませて後片付けや洗濯掃除を一通り済ませると、ごろんっと娘たちの部屋で大の字の日々です。
子供達の起床と就寝時間もそろそろ来週から始まる学校に備えてコントロールするよう促したいところです。
さて、着々と進めております。
プログラムのページ数が確定したので、印刷部数を決定して用紙選びへ。
いつもプログラム1ページの“あいさつ”の文面は印刷間際になって、もっと当日に向けた気持ちの整理ができた時に考えます。
それでは今日も発表会の曲紹介を。
〜♫45名のご出演者と私の演奏曲目を、発表会当日までの間、定期的にご紹介してまいります。
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毎週、月・水・金・日曜日を目安に
ご紹介してまいりますのでお楽しみに。
尚、お申し込み時点での演奏曲目ですので、
当日変更となる可能性もございます。
ご了承くださいませ。
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ベートーヴェン
ピアノソナタ Op.14-1 第1楽章
前回の曲紹介から、クラシックはモーツァルトに続いてベートーヴェン。
ベートーヴェンは32曲のピアノソナタ を書き残しており、この作品は第9番に当たります。
ベートーヴェンは4歳の頃、父からの教育によりクラヴィコードを習います。
モーツァルトのピアノソナタで紹介したクラヴィコードですね。
ドイツのボンで生まれたベートーヴェン。
ベートーヴェンのおじいちゃんも、彼と同じルードヴィヒという名前で、宮廷楽長を務めた素晴らしい人。
そのまたひいおじいちゃんはパン屋さんだったのだとか。
そして父であるヨハンも宮廷歌手として音楽家の道を辿りますが、自分の父親ほどにはなれず、音楽家としての道を息子に託します。
「神童モーツァルトのように育て上げよう」と。
16歳の頃、母マグダレーナと旅行にてウィーンを訪れたベートーヴェンはモーツァルトに会っているのだとか。
そんなベートーヴェンは研鑽を積んで拠点をドイツからオーストリアのウィーンへ移します。
その節目において“交響曲の父”とも呼ばれる作曲家ハイドンとの出逢いがあります。後にベートーヴェンはハイドンに師事します。
22歳の頃です。
ベートーヴェンといえば、その生涯にてピアノという楽器が大きく進化を遂げていった時代にぴったりとはまる作曲家。
ベートーヴェンが最初に手にしたとされる“シュタイン製”のピアノ。
そしてウィーンに移住してから出逢う“ヴァルター製”のピアノにおいては、数多くの名曲がそのピアノから作り出されました。
まだ鍵盤は61鍵。
このピアノで「悲愴ソナタ」も完成しています。
そしてこの9番のソナタも。
悲愴ソナタが8番なので、同じ時期に作られた曲。
そんな9番のソナタは、実は鍵盤楽器の主流がピアノへとがっちり転換していった時期と合わさることが伺えるのだとか。
悲愴ソナタまでの作品には“チェンバロ又はピアノフォルテのための”と記されていたのが、9番のピアノソナタを機に“ピアノフォルテのための”と言い切っています。
チェンバロがまだまだ主流だった時代から、ピアノの普及へと逆転した時代。
そうやってピアノの進化と共に歩むベートーヴェンの作曲人生は、新しい音楽への挑戦や閃きに満ちていたのでしょうね。
さすがは芸術家ベートーヴェン。
この9番はのちにベートーヴェン自身の手によって弦楽四重奏にも編曲されています。
それがよく納得できるほど、この曲には様々な旋律が重なり合って、まさにアンサンブルしているような作品です。
さぁそんなピアノソナタ9番を選ばれた生徒様は今年3度目のご出演。
3年前の夏、ご縁あってピアノライフを当教室にてスタートされ、4年目の夏を迎えました。
2021年、当教室が開講10周年の記念だった年の発表会、始まったばかりのピアノライフと共に、その発表会を会場にて目にしてくださっています。
翌年に初めてご自身もご出演者として仲間入り。
そんな生徒様には、いつも明るい曲がお似合い。
ご自身でもそう感じて曲を選ばれています。
そういえば体験レッスンで初めてお会いした際にも、子供の頃に弾いたと仰るベートーヴェンのバガテルの作品の中から一曲持ってきてくださり、そのまま最初にレッスンで仕上げた曲となりました。
モーツァルトやベートーヴェンを好んで選ばれる生徒様。
この9番のピアノソナタもどことなくモーツァルトのような品格を感じますよね。
子供の頃のピアノライフの記憶と、大人になってご自分で手にしたピアノライフ。
今振り返ってみて、どんな想いで時間が流れていることでしょう。
大人になって再開したピアノ、今こうして初めてお会いした時のベートーヴェンの演奏を思い出すと、指も動くようになり、読譜力も蘇り、もしかすると私の知らない生徒様の子供の頃のピアノよりも熟した演奏ができているんだろう、と感じます。
まだまだ得るものがありそうな生徒様のピアノライフ。
3度目のご出演にて、また新たな感動と成長と心の彩りを実感できるよう、私も最後まで精一杯サポートしてまいります。
今日も素晴らしいレッスンライフとなりますように!