発表会の曲《1》
2024年7月28日
7月も残すところわずか。
昨日も生徒の皆様のレッスンを終えて、充実の疲労感で空を見上げると、有難い安堵に包まれました。
もう少し、日の長い時間を味わいたいなぁ、と1日1日を惜しんでいます。
もうすぐ8月。
今年も昨年に増して多くのご出演者となる発表会。
それでは日を待たずに、始めますよ。
毎年恒例《発表会の曲》!
44名のご出演者と私の演奏曲目を、本日より、発表会開催までの間、定期的にご紹介してまいります。
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毎週、月・水・金・日曜日を目安に
ご紹介してまいりますのでお楽しみに。
尚、お申し込み時点での演奏曲目ですので、
当日変更となる可能性もございます。
ご了承くださいませ。
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初出演の方よりご出演回数順に紹介してまいります。
それではまいりましょう♫
本日第1回目にご紹介するのは・・
ヘンデル
サラバンドと変奏 HWV437
この曲の作曲者ヘンデルといえば、バロック音楽を代表する作曲家の1人。
バロックといえば、皆様バッハがお馴染みでしょうか。
バッハとヘンデルは同じ年に、同じドイツで生まれています。
左がバッハ、右がヘンデルですね。
彼ら2人は生まれた年も故郷も同じでありながら、音楽家としての道は全く違っていたようです。
バッハといえば、名オルガニストとして、ドイツの各地を渡り歩き、宮廷楽長、教会のカントル、音楽監督を務め、教育者としても活躍した、まさに音楽の父。
そして家庭においても多くの子どもたちに囲まれた働き者の父でもありましたね。
一方ヘンデルは、バッハが生涯ドイツで暮らしたのに対し、イタリアでオペラを学んだ後にイギリス、ロンドンでオペラ作曲家として、そしてオラトリオの主催、事業主として大活躍しました。
結果、ロンドンで50年近くの生涯を過ごしていたそうな。
バッハは、クラヴィーア曲集や無伴奏ヴァイオリン、チェロなど、様々なジャンルの教会音楽を残し、
ヘンデルは、バッハが唯一手がけなかった劇場音楽を華々しく世に残しました。
まずヘンデルのオラトリオといえば、「メサイア」でしょう。
そして私としては、クラヴィーア曲としてヘンデルの音楽で一番最初に頭に浮かぶのは「調子の良い鍛冶屋」
皆様はいかがでしょうか。
そしてサラバンドですが、バロック時代の音楽では、当時ヨーロッパの宮廷で流行していた舞曲。
主に組曲として、アルマンド、クーラント、ジーグと共に組み合わせて用いられることが多く、バッハもたくさんサラバンドを手がけています。
さて、今回そんなヘンデルの「サラバンドと変奏」を発表会の曲に選ばれた生徒様は、今年当教室の発表会初出演。
ご縁あってレッスンに通っていただき、8ヶ月が過ぎたところです。
昨年春にお問い合わせをいただき、そこから待つこと半年、再度お問い合わせをいただきましたタイミングがまさにご縁となりました。
生徒様が日頃から愛してきたバロック音楽。
普段よくお聴きになられるとのこと。
バッハやヘンデル、テレマン。
曲のお話をするときの、生徒様の酔いしれた表情がなんともいえず心地良いです。
今回のサラバンドも、レッスンを始められたばかりの頃、初めにご一緒にレッスン曲として選んだ曲なのですが、私が初見で軽く弾いてみると、
「あぁ、良いですね〜」
と一言。
そのときの生徒様の和らいだ表情を今でも思い出します。
一見、バッハのように厳格なイメージがちょっと漂う生徒様。
心を寄せる音楽の話をするときの温かな表情、そしてピアノに向かうときの直向きで真摯な姿から、私もたくさんの刺激と魅力をいただいております。
レッスンを始められた当初から、「発表会も挑戦できたら…」とお話ししてくださっていました。
その想い叶って、今回は、数十年ぶりのステージ演奏へと挑みます。
還暦を迎えて始められたレッスンライフ。
日々のお仕事でも「教える」という職業でありながら、レッスンにて今度は真逆の立場に立って学び、練習に励む姿勢には、いつも感心と憧れを抱きます。
私も必ず、年齢を重ねて、「教えてもらう」という立場にまわって学ぶことを必ず人生に取り入れたいな、と今から思っています。
(いやすでに今も学びだらけなのです。)
そんな生徒様の真摯で直向きな、そして音楽を心から愛する姿が見え隠れする演奏を、ぜひお楽しみに。
残りの3ヶ月、私も刺激と音楽への愛を受け取りながら、精一杯サポートしてまいります。
今日も素敵なピアノライフを!