​人に逢うことで得た力

2024年6月23日



新潟にもようやく遅ればせながら梅雨到来。

早速ペタペタしっとりとした空気です。


昨日、ある生徒様から、那須にある藤城清治美術館へ行ってこられたお話を、レッスン帰り際にてお聞きしました。


調べてみたら本当に素敵なところ。


そして彼の作品は何度か、どこかでイラストや手にしたアイテムで目にしているものでした。


生徒様がそこで出逢った『月光の響』という作品。


それを観て、またピアノの演奏と作品へインスピレーションを受けて、練習への意欲が上がった、と話してくださいました。


「音楽は音楽から気持ちや意欲を上げるのかと思っていましたが、こんな風に別の視点から音楽へと気持ちが通ずることもあるんだ、と。」


そう話してくださった生徒様。


うんうん、私も深く頷きました。


練習へ向かう時、音楽と向き合う時、そしてそれはレッスンライフを重ねる上でも、そして教室をつくり、続ける上でも、“音楽”というフィールドだけに浸っているだけでは得られないものが必ずあると思っています。


そんなお話をしていた後にいらした生徒様は、早くも10月の発表会でプログラムに掲載するご出演者のコメントを今から考えてくださっているようで、ご自身が今回演奏される曲目について「先生、どんなイメージがありますか?」と聞いてくださいました。


音楽理論的なこと、作者の時代背景や当時の環境はおいておき、素直にこの曲を聴いたときのイメージ、世界。


それを考えるのは本当に楽しいこと。


感性豊かでなくてはいけません。


当教室をこうして開き続けて、出逢う生徒の皆様と繋がりながら、皆様から日々の暮らしと学びと発見、感動を聞いてはピアノと向き合う時間が本当に有り難くて心地良いです。

不思議なほどに私のパワーチャージになっています。



13年前、3年数ヶ月勤めた楽器店でのレッスンライフにピリオドを打った時、私はまた販売の仕事や接客の仕事に興味を持ち、再就職へと動いていました。

その時から1人の生徒様の一声で始まった小さな小さな教室。

教室というよりも「隠れたレッスン室」。

そんな感覚でレッスンをしていました。


そうやって始まったレッスン室活動と同時にパートタイムで働きに出ていました。

経済的なことももちろんありましたが、余っている時間に、家にいることが苦手な私は、人と接することを求めて外へ出ていました。

一期一会でも良いから。

そして、ピアノの先生は孤独だから。

私が子供の頃から、大学へ入り卒業するまでずっと思っていたこと。

《ピアノの先生は孤独》

だから選んでこなかった道なのです。

(勝手な私の偏見でもありますが。)


結局、ピアノ教室の傍ら、外へ週に3日別の仕事に出ていた生活は、当教室2度目の発表会が終わるまで、息子をお腹に宿して7ヶ月の頃まで、続けていました。


でもそこで得た大切な出逢いがあります。

一緒に働いていた方が、フリーランスで美容関係のお仕事をしていらっしゃり、ランチ会という名の異業種交流会へ誘ってくださったこと。


様々なお仕事を自分でなさっている方々と沢山お話しできる機会。

私が思っていた硬いイメージとは逆に、主催者の方の気さくで親近感のわくお人柄のおかげで、のんびり自由な空気感でした。

その時間に得られるものは、それぞれのフィールドで活躍するまでの軌跡や、発進の仕方、経営の仕方、そして家庭を持ちながら向き合う仕事のあり方、様々なお話を聞けることがとにかく新鮮で刺激でした。


そして主催者のお人柄にちゃんと引き寄せられた方々が集まっていたこと。


その後も何度も参加させていただきました。

結果的に2人目の長女を授かるまで参加していました。


そしてその中で出逢ったライターの方と個人的に繋がり、また別の形でイベントへと招いていただきました。

それはなんと、異業種で集まり、自分の目標達成までを伝え合うランチ会。


これがまた素敵だったのです。


こうして話していると、側から見ると「怪しいイベントに参加しているんでない?」と思われることもあったかもしれませんが、リアルで繋がるその時間、そして年齢も様々、人生経験も様々な方達と今の自分のお仕事に向き合う姿や行動を伝え合う時間に、私なりのたくさんの収穫がありました。


大人だけのピアノ教室をやっている


それを話すだけで、多くの方に興味を持っていただけました。


目のつけどころが良いね。

他の教室にはない形をつくること。


そしてその素敵な出逢いとなったライターの方に、当教室のホームページを観ていただき、言葉のチョイスについてアドバイスいただき今のホームページがずっと変わらずに存在し続けているのです。


自分なりに成功している人、頑張っている人、これから夢に向かって走り出す人、そんな方たちの姿や気持ちに触れることで得られたエネルギーが今もこうして当教室の存在と魅力に繋がっています。


そして、今、気づけば60数名の大人の生徒の皆様の生き様、価値観、お人柄、そこからたくさんのエネルギーを得ています。


人生を通して、苦楽を経験しながら今を歩む生徒の皆様一人一人のピアノライフに寄り添うことが、とにかく私の生きる源になっていること。


そしてもちろんピアノライフの彩りになっていること。


いつもレッスンを終えては、


​今日も有難い日だったなぁ

と心に思っています。


もちろん、「◯◯さんの今日のレッスン、あれで良かったかな・・」と振り返っては見つめ直すこともあります。



偶然が引き寄せた私の大人だけのピアノ教室。


《孤独》と決めつけてその仕事に背を向け続けていた私に、ピアノと人生の私らしい歩み方を神様がぽんと差し出してくれたんだ、と思っています。



一昨日の寝る前、なんとか楽譜を眺めて頭の中で鍵盤をなぞったその練習の甲斐あって、昨日のレッスン終わり、するするする〜と難関だった壁をどうにか越えることができました。

6月最終週は非常にレッスンが立て込んでおりますので、目標地点に到達できる自信がないのですが、焦らず今日まで出来たことを振り返る1週間にしたいと思います。



そしてこちら。


生徒様から紹介いただいた一冊。


読み始めています。

こうやって、生徒様それぞれの世界があり、その中で心に響いたものをシェアできるのも、大人のピアノ教室ならでは、です。


ありがとうございます。



今日も素敵なピアノライフを!