​ハーモニーと旋律

2024年5月26日



本日、昨日の振替で5名の生徒様とレッスンが入っております。


昨日は風が少しひんやりでしたが、無事に運動会を迎えられました。

息子にとって最後の運動会は、昨年に続いて応援団という大事な役割を担って。

昨年の経験から、やり甲斐を感じて再び自ら立候補していました。


今年で小学校3人揃っての運動会は最後。

こうやって息子は行事が一つ一つ最後を迎えてゆきます。

ひとつひとつ、やりきって思い出に刻んでほしいです。


さてそんな運動会を終えて午後からのレッスン。


相変わらず昨日も、生徒様それぞれのカラーと音楽があり、レッスンにおいても、伝えることは様々でした。

新しい曲の譜読みが始まった生徒様も、

決めかねていた発表会の曲に方向が定まって来た生徒様も、

兼ねてより練習を始めていた発表会の曲も曲作りに突入した生徒様も、

細かな音の出し方や繋げ方に上級者さんならではのレッスン内容があったことも、 

そしてそして、最後のレッスン時間にお越しくださった生徒様は、保育士さんとして、3年ぶり2度目の卒園式の歌のピアノ伴奏に抜擢されたとのご報告があったことも・・・♬


そんな中、上級者さんとのレッスンで、和音の鳴らし方、旋律の鳴らし方の話に。


これはレッスンにおいて、わりとよく話題に出す一つ。

クラシックだけでなく、ポップスでも度々。



右手に旋律がくることが大半ですが、その旋律がハーモニーを伴っているとき。


大体、和音の1番上、トップの高い音に旋律が乗っていると思います。


時々そうでなく、中の音に存在していることもあります。


なんとなく和音をおさえると、2つなり3つ、ときには4つの和音で、みんなバランスよく鳴るか、和音の開きや指使いによって、弱い指が他の音に埋もれてしまってバランスが崩れて鳴るか、どちらかです。


メロディライン・旋律にハモリがくっついている和音の時は、やはり聴き手に旋律の流れを聴かせられるようにしなくてはです。


なんだか薄いメロディライン

メロディラインが見え隠れしてる


そうなると演奏にもメッセージ性がかけてしまいます。



まずメロディラインとなっている音を単音で弾いてみましょう。

そしてその時は無意識に弾きやすい指使いで弾いてしまうでしょう。

なので、次に、和音でおさえたときと同じ指使いでメロディラインだけを弾いてみます。

そうすると大体が、3・4・5の指が担っていると思います。

その指だけの運びでメロディラインを奏でていることをしっかり認識します。


それから和音にしてみると・・・

やはりハーモニーとしてメロディラインが溶け込み過ぎてしまいます。


なので、コツはメロディラインとなる音を弾いている指のみ、第一関節をクッと曲げてみるんです。


これはぜひテーブルの上などでもイメージトレーニングをしてみてください。


ピアノは指を下ろせば簡単に音が鳴ります。

その指先の形を変えるだけで、ちゃんと音の響き方が変わります。


弦楽器や管楽器のように音を鳴らすまでのコツがなくても、猫が歩いても鳴るピアノ。

だからこそ指先の使い方や身体の使い方で、様々に音を変えらるのが、また奥深く、愛情と魅力に溢れる楽器です。


和音を綺麗に奏でるのは実は難しいこと。


初心者さんでも、初めて2和音、3和音が出てくるときは、ほんの一時、苦戦します。

5本の指の生え方も長さもバランスも違うからこそ、調和の取れた響きも旋律を際立たせた響きも、こればかりは心で「歌って〜」と念じても響きません。


指先で考えること、コントロールすること。


一人でたくさんのパートを担えてしまう楽器の王様・ピアノだからこそ、それぞれのパートを意識して、把握して歌って、弾くコツが要ります。

弾き手が指揮者となって、そして時には歌い手となって。


だからこそ魅力的なピアノ。


生徒様それぞれに心寄せる音楽があります。


それでもやっぱりどんな音楽もピアノで奏でるとピアノの魅力に包まれます。


良いなぁ、と思いながら、どうやったらもっと素敵に奏でられるようになるかを、生徒様それぞれの持ち味と進み具合に合わせて向き合います。


ハーモニーと旋律。


ぜひ練習の時によく味わって、指先で考えて弾いてみてください。



今日も素敵なピアノライフを!