​何度も教えられて向き合える

2024年5月13日



久しぶりにしっかりと雨が降り注いでいます。


晴れていたら山登り決行でしたが、兼ねてより期待していなかったお天気に、100%延期に気持ちが固まりました。

今日は子供達の衣替えなどで緩やかに過ごします。



昨日、ある生徒様から、好きな音楽、作曲家の話になりました。

「普段からバッハをよく聴く」と。


サムネイル
 

​オーボエ協奏曲がまた好きで♬

リヒターの指揮している演奏が良くて。

いつも誠実で真っ直ぐなイメージの生徒様が、「良いんですよ」と、ご自身の好きな音楽の世界を話してくださるときの柔らかな表情に、なんとも言えず私まで喜びと心地良さを感じます。


帰りの道中で、リヒターのオーボエ協奏曲を早速聴きながら、車を走らせました。


すっかり有難い時代です。

生徒様それぞれの心に響く様々な音楽にタイムリーに触れられること。

時間とお金をかけて音源を手にしてから耳に入れていた時代にも懐かしくなりながら、そしてその心の寄せ方の良さやひとしおの喜びにもメリットを感じながらも、時間に追われる現代と私の今の環境において、皆様の音楽をそれぞれに身近に受け入れるためには本当にYoutube様々でレッスンライフが潤っています。


そんな今日この頃ですが、先週、ショパンの「バラード1番」の練習をスタートされた生徒様とのレッスンがありました。


御歳70歳。


大学時代に手にしていたというショパンのバラード集。

全音出版の楽譜は、今お馴染みのあの青い表紙の楽譜とは違い、クラシカルなデザイン。

そして当時の定価は350円。

生徒様が裏表紙を見せて話してくださいました。


それこそきっと、足を運んで手にした一冊なんだろうと思います。


それでも開けば、そして音にすれば、今も変わらず耳に馴染んだバラード1番が鳴ります。



実は、今、別の生徒様も、兼ねてより今年の10月の発表会に向けてバラード1番を練習中でして、同じ全音出版の楽譜。

生徒様は昨年購入した楽譜。

ここ数ヶ月、その生徒様とのレッスンで、全音出版の小節数や尺、レイアウトがインプットされていたので、先週からレッスンの始まった生徒様が広げたその楽譜もまた同じ尺でした。


同じなんだ・・・・


心の中でそう呟きながら、新たに2人目のバラード1番のレッスンにわくわくしながら向き合いました。


ショパンの「バラード1番」


これまでのレッスンにおいて、4度目。

昨年も発表会にて演奏された生徒様がおり、10ヶ月ほどかけて向き合っていました。


私も高校3年生の時に弾いた曲。

そこから開くことはなかったバラード1番。


その後、3番を手にして、そして40代のうちに手にしようと考えているのが4番。


4番が1番好きなのです。


ですがやっぱり名曲として継がれているだけあるバラード1番。


素敵。


そしてこうして何度もレッスンさせていただけること。

ちょうど今年の開催地と同じだいしホールにて発表会を開催した6年前、バラード1番を演奏された生徒様が、「10年経ったらまた弾きたい」と心にしていらっしゃいます。

嬉しいな。

また聴けること、そしてまたご一緒に向き合えること。


“私も高校生の時に弾いた曲”

と誇らしげに話すつもりはなく、むしろ「昔弾いた」ということよりも、今こうして何度も、生徒様それぞれの持ち味と共に向き合えることの方が、たくさんの学びとスキルアップに繋がって喜びに溢れています。

20歳前後の頃、まだまだレッスンにおいても、ピアノを弾くことにおいて受け身だった頃のバラード1番への想いよりも、レッスンを通して何度も向き合い、教えられることで、更に沢山の愛と情熱とスキルを重ねられています。


今の私で弾いてみたら、どんな風になるだろう・・と期待してみたりします。


大学時代に、ショパンの「ポロネーズ第5番」をレッスンへ持って行く時、当時月に一度だけ非常勤講師として教わっていた先生に、「◯◯先生(当時師事していた教授)は、この前までコンクール出場者のレッスンでこの曲とずっと向き合っていたから、良いレッスンを受けられると思うよ」と話してくださったことを思い出します。


何度も教えることで向き合えること。



嬉しいです。



そしてまた私も、憧れを目標にして形にしようと行動に移すことができます。



また明日からピアノに触れる時間を楽しみにして・・・あいにくの雨を利用して今日は家のことに徹します。


皆様今日も素敵なピアノライフを!