お戒壇めぐりとは
本堂の横にこんな地下へ降りる入り口がありまして 

お戒壇の、一寸先も見えない暗闇の中を手探りで進み、やがて御本尊様の真下に懸かる「極楽のお錠前」に触れて出てきた時、最初に目にするのが出口から射し込んでいる光です。本堂の中は薄暗く、光も大変弱いものです。しかし、目の前にそのわずかな光を見る時、ほっと安堵の思いをいたすことでしょう。普段は感ずることのない、光のありがたさ、目の見える尊さを覚えることでしょう。
お戒壇巡りは、秘仏の御本尊様の下を巡って、仏様の分身ともいえるお錠前に触れることによりまして、仏様と縁を結び極楽往生のお約束をいただき、私たちが本来持っている仏縁の種を大切に育ててゆくことを仏様にお誓いする「行」であります。
わかりやすく言えば お錠前に触れることは極楽浄土へ行ける約束を仏様と交わすことのようです。
ここに来る前に いろいろネットでの書き込みをみてたら、とにかく真っ暗で怖いとの感想が多くて、 一人だし ワシ大丈夫かな

人がいっぱいいてワイワイガヤガヤならドサクサに紛れて行けるかも・・
なんて思ってたけど、 朝早くから来てしまったんで本堂にお参りしてる人は一人もおらず・・
無理や〜〜

怖いもん〜〜

て、ビビってるのに、お寺の人に さあさあ次はここを降りて行きなさいって感じで当たり前のように誘導されて、
・・・ う〜〜〜 怖いんですけど 私・・
ここに 一人で入れと 

けど、躊躇してる間はない

ここまで来たなら 仕方ない

腹をくくって 行くしかない 

勇気を振り絞って 中へ 〜〜
腰の高さくらいに「お錠前」があるようで 壁に手を添える高さの印があるんでそこに手を滑らせながら、前へと進む〜
本当に真っ暗だ
しばらくすると目が慣れるということもなく どんなに目をこらしても何も見えない。 感じない。
暗黒の世界とはこういうことだ。
手探りで進むも 曲がり角ではオデコぶつけたり、もう必死 

何度か曲がった気がするけど、自分のいるところは見当もつかない。
しばらく行くと、手が触れたところがカチャカチャって金属的な音がして、
これかな
「お錠前」って


定かでないけど、ひとりぼっちなんで聞くこともできず、とにかく早く光のあるところに行きたい一心で立ち止まらずひたすら前へと進む〜
ほどなく ほんのりと先が明るくなってきた〜〜
この時の嬉しさは 忘れられない 

帰ってこれた〜〜
怖かったよ〜
でも、達成感もなんだか気持ちいいぞ〜〜

帰り着くと、お寺のおじさんに、「ちゃんと触ってこれましたか?」って聞かれて、
「・・ たぶん なんかカチャカチャって音がしたのがそうですよね?」と聞くと
「棒みたいに 握れるとこがあったでしょ?」
「え? 棒?」(握ってはないぞ・・)
腑に落ちない 様子を見破られ、
「もう一度 行って来なさい。
何回行っても いいんだから」って言われてしまって 

「マジか〜〜」
怖いのに もう一回行けですと



う〜〜〜
でもな〜〜 せっかくなのに 仏様とちゃんとご縁を結べてなかったとしたら悲しいよな〜〜

「行きますぅ〜〜 も一回
」

再度 暗闇へと突入

けど、一回 行ってみて どのくらいの時間がかかるのかがわかったのもあって今度はさほど怖くない〜〜
今度は、家族のために「お錠前」を触って来ようと心に決めて 前へと進む〜
やっぱり同じ場所で オデコぶつけたりして、ちょっと可笑しくなる余裕さえも見せつつ進む〜
今度ははっきりわかりました「お錠前」〜
ちゃんと握れた〜〜
しばし 立ち止まって みんなのこと念じながらお参りさせていただきました〜〜
さっきよりも 早く光のある世界に戻れた気がする〜〜
怖かったけど、勇気を出してお参りして良かった

本当に良かった

善光寺さん
ここに来れて 本当に良かった〜〜
お戒壇めぐりも できて
この先の私の人生、もう 何も怖いものがないような気さえする この清々しさ 

闇の中でも 恐れずに
手探りしながらでも 前に 前に進めば、
やがて光は見えてくる・・
そんなことを 教えてもらった気がする 善光寺

信濃の旅路でございます
