人が
A or B で悩む時というのは、AにもBにも等しく魅力とリスクがある時、だと思うんですよね
例えば、
前からずっと「いいなぁ素敵だなあ」って思っていたAさんから
「僕の友人がやっている一日一組限定の古民家レストランに、宜しければ是非ご招待したいんです。山の中にある築150年の趣きある建物で、料理は地元産の有機野菜と天然物の鰻と川魚の懐石コース。庭を流れる小川には風車もあって、四季折々の花とハーブが楽しめて、あちらこちらに友人手作りのベンチやブランコもあり、食後の散策もまた楽しいですよ。もちろんご自宅まで安全運転で送迎します道中にはいくつかのお勧め立ち寄りスポットもあります。ご都合はいかがでしょうか」
というデートのお誘いがあった日が、三か月前に予約を入れた歯科の定期検診日だった場合、
私は僅か一秒も迷うコトなく、歯医者さんに予約変更の電話を掛けます
これは、あくまでも妄想の世界で遊んでいる話なのですが
で、現実世界の私は、というと、今 こんなA or Bで、ずっと迷っています
山の家で愛用している大好きな大野誠一さんの粉引の湯呑み。
とってもとっても大事に、気を付けて扱っていたのに、ふと気付けば、いつの間にかフチがちょこっと欠けてしまっていた〜〜
大野さんは既に釜仕舞いをされてしまったので、もう二度と手に入らない
割れたのでは無くて「欠け」なので、使えなくなったワケではないから、処分なんて出来なくて、この夏そのまま使い続けていたのだけど、欠けてしまった箇所に目が行く度に「あ〜〜あ」ってなる。
あ、そうだ
こんな時には「金継ぎ」という素晴らしい技法があるではないか〜〜
で、
九月にテラスカウンター作りと写真撮影にジュンさんが山の家に来て下さった時、器用なジュンさんならば、ひょっとしたら金継ぎなんかもちょちょいとこなしたりするかも〜〜という期待を胸に聞いてみたら、
ジ「僕は出来ないけれど、友人に金継ぎをしているのが居ますよ」
わ「わ〜〜私、全く知識が無いのですが、金額的にはどれくらいなのでしょうか」
ジ「良かったら聞いてみますよ。写真撮って彼に送ってもいいですか」
その結果、「五千円くらいだそうです。銀継だったらもう少し安いと」との事で…。
湯呑みの色合いから言って、どうせならば、やはり銀じゃなくて金が良いんだよなぁ〜。
う〜〜ん
相場のようなモノを全く知らないから何とも言えないのだけど、
大きくヒビが入ったとか割れたとかじゃなくて、
「欠け」なのに〜〜
そう思って、金継ぎ工房的なところを検索してみたら、「欠け」は3000円〜とある。
3000円じゃなくて3000円〜。
ジュンさんの友人は、実際に写真を見た上での見積もりな訳だから、プロからしたら、私が思っている以上に「大きく欠けている」という事なのか
次に、アマゾンで「初心者の為の簡単金継ぎセット」なるモノを検索してみたら、こちらもほぼ五千円。
同じ金額であれば、プロにお願いした方が絶対的に圧倒的に仕上がりは良いに決まっているよね〜〜
ましてや、自他共に認める不器用な私のコトだ。
「素人が下手にやって失敗してしまった場合、その後はもうプロにも頼めなくなる」的な記述も目にした。
そうなった時の後悔は計り知れない
でも、
そうなんだけど〜〜
もし、
もし、ですよ
自分で挑戦してみて、プロの仕上がりには遠く及ばずとも、
それなりに、「うん、ま、いっか〜〜」と思えるくらいに仕上がったら、
それはそれで、めっちゃ嬉しくて、楽しくないか〜〜
更に愛着が増すコト、間違いなし
そして、プロにお願いした五千円は、それ一回きりだけど、金継ぎセットが手元にあれば、この先も自分で出来るじゃないですか〜〜
ま、それは、上手くいけば、の話。
もし、結局「あ〜〜、なんで私にも出来るかもしれない…な〜〜んて血迷ってしまったんだろ〜〜」という結果になったら、
大好きな湯呑みも失うし、プロにお願いすれば活きた五千円になったのに、ただドブに捨てたコトになる。
ということで、A or B の無限ループ状態
ねぇねぇ
「初心者簡単金継ぎセット」の「簡単」って、一体どれくらいの「簡単さ」なんですかね〜〜
写真は本文と全く関係ございません。
ではまた