私は幼い頃から体操競技に人生を捧げてきた。今の自分があるのは体操をやってきたから、そして最高のコーチに出会えたからである。


ここ最近のニュース

私なりの意見を述べようと思う。(※あくまで私個人の意見です)


体操競技は見たことある人はわかるかもしれないが、本当にアクロバティックで命がけの競技。


少しのミスや一瞬の気の緩みで大怪我をしたり、命を落とす確率だってある。


だからこそ彼女が会見で語っていたように、技の途中で力を抜いてしまったり、集中が切れている時、気が抜けている時は厳しく怒られる。


だって、本当に命を落とすかもしれないんだもん。体操競技においてこれは当たり前の指導のレベル。逆にこれを厳しく指導しないコーチなんているのかなと疑問に思う。


そしてこれほどの競技であるからこそ、コーチとの信頼関係はとても重要。

体操競技は選手生命がとても短く開始年齢は大抵が幼稚園くらいの2〜5歳くらい。

そして小さい頃からかなりの練習量があるから、家よりも体育館にいる事、コーチと顔を合わせている時間の方が長いもので、親同然に自分の事を理解してくれていたりするものだ。


そして技の練習の際に補助が必要なのでコーチ無しでの練習はできない。


コーチは選手の命を預かっているといえるほど本当に重要な存在なのだ。

だから度々コーチを変える選手というのはあまりいない。

コーチと選手との信頼関係が本当に大切なのが体操競技なのだ。


私も引退して10年経つ今でも、コーチの存在は家族同然に本当に大切で、この縁は一生切れる事は無いだろうと思う。


私は何度コーチに命を救われたかわからない。あの時、あの場面でコーチが助けてくれなかったら今私はこの世に存在していないかもしれない。とまで想像し鳥肌が立つほどの場面もある。



コーチは選手の表情や動きをよく理解しているから、表情一つで「怪我をしそう」とか「今日は調子が悪い」「動きが変」など一眼で見抜く。

選手も親も心から信頼しているから、命を預けられる。

私は本当に信頼できるコーチに出会い指導して頂けた事が本当に幸せだった。


それほど、体操競技においての選手とコーチとの関係は家族同然の深い絆があるものだ。



今回、まだ18歳の宮川紗江選手が勇気を出して記者会見にのぞんだ。


宮川紗江選手というと、リオ五輪でも日本代表として活躍し勿論東京五輪も期待の選手。


彼女の床は圧巻で、日本でもこんな高難度の技を次々とできる選手がいるのか!!と、かなり注目をしていたし、私の中では宮川選手の床が今の体操日本女子の演技の中で一番楽しみなのだ。


これに至るのは、速水コーチと二人三脚でずっと頑張ってきたわけだし、それを考えると今回の件は本当に信じ難い。



体操をあまりわからない外部や本人からの申し出ならまだしも、体操競技において危ない時にどの様な指導が必要なのか、それを1番わかっている内部からの告発、協会の受け入れは本当に衝撃だった。



いわゆる大人の権力争いみたいなものが、スポーツ界で行われている現状が最近非常に多くみられる。


今回はこの様に選手本人が声をあげた。しかもまだ18歳の若い選手が自分の選手生命をかけた非常に大きな勇気の賜物である。


もしかしたらこういった事が行われたのはここだけの話ではないのかもしれない。けれど、この様に日本を代表する選手本人が自ら声をあげてくれた事、本当に勇気ある行動だったと思う。


しかも世界選手権を控えた今、この様な事が起こり、今シーズンは大会を辞退すると


体操選手にとって23日練習が出来ないだけで非常に大きな代償になる。

それにも関わらずここ数日はずっとまともな練習が出来ていない。

そして色々なリスクよりも、信頼したコーチの元で選手を続ける事が彼女が1番優先するという芯の強さが本当に素晴らしい。


どうか宮川紗江選手と速水コーチが元の練習に戻れる日が来ますように。



そして日本のスポーツ界で同じような事が行われない事を心から願います。


宮川紗江選手を心から応援しています!!



私には何もできないけど、元体操選手ならではの観点で自分の経験と結びつけて述べさせて頂きました。


近藤智美