「あぁ、あんなふうに
しなければよかったな･･･」
誰にでも
後悔することはありますよね。
やらない後悔と
やる後悔
なんて言ったりもしますけれど
歴史に ”もしも” が無いように、
私たち一人ひとりの人生にも
”もしも” は無いですものね。
後悔のまったくない人生もまた
無いのでしょうね。
ならば、少しでも
その経験を次に活かしたい、と
思うわけですが、
そんな時、どうしていますか？
「後悔していても仕方ない」
「前向きに行くしかない」
と気持ちをり替えたり･･･
が一般的な対処なのかな、
なんて思います。
仕方ない、
前向きに、
と思う気持ちが本当で、
自分に嘘をつくことなく
すっきり切り替えられれば
自然と次の行動へ
移っていけるのでしょうね。
ですが、
後悔の気持ちを避けるために
無理矢理
”前向きふう” にふるまっているなら
ちょっと苦しいですよね。
消化しきれずに
いつかどこかで悔しい気持ちが
ぶり返してきてしまいます。
後悔だけでなく、
嫌な気持ち全般に言えると思いますが、
不快な感情が湧きあがると
「切り替えよう」としますよね。
それ自体には賛成なのですが
そのプロセスを急ぎ過ぎると
苦しくなるんじゃないかな、
と思います。
後悔→次に活かす、と
ひとっ飛びなプロセスではなく、
後悔→その感情に留まる→次に活かす
というふうに
もうワンステップ入れた
じっくりなプロセスにすると
より自然な消化（感情的な消化ですね）が
進むと思うんです。
切り替えよう、切り替えよう、
と自分を煽るのではなく
いったんその感情に留まることで
自ずと切り替わるのを待つ。
「切り替える」ではなく
「切り替わる」です。
切り替わるために必要な時間を
必要なだけあげる。
そんなイメージです。
ただ、
それは漫然と待っていても
そう都合よく切り替わるものでもなく
やはりそこには
コツというか、
感情に主体的にかかわる姿勢
が求められるでは思っています。
必要な時間はあげるけれど
必要以上の時間はかけたくない。
ですので、
完全に受動ではないけれど
完全に能動でもない
中間のような
受け身な能動性というような
姿勢がちょうどいいのかな
と思っています。
ちょっと伝わりにくいのかも
しれませんが。
「あぁ、あの時
あんなふうにしなければ･･･」
「悔しい、防げたはずなのに･･･」
「こうしていれば
うまくいっていたのに･･･」
悔しいときには
いろいろ
無かった過去を思ってしまいます。
そうやって
ぐるぐると思考が動き始めたら
ちょっと留まって
感情に目を向けてみてほしいのです。
「あの時ああすれば･･･」
「あの人のあのせいで･･･」
は感情ではありません。
思考ですね。
感情でいえば
「悔しい」とか
「後悔」とか
「残念」とか
「悲しい」とか
「恥ずかしい」とか
その辺りが当てはまりそうでしょうか。
状況によっては
もっと他にぴったりくる言葉が
あるかもしれません。
どんな言葉がぴったりくるにせよ
どうしていれば良かった、や
これこれこういう出来事があって、などの
状況説明に流れず感情に留まる。
これが案外むずかしいんですね。
感情を表しているように
説明している人は感じてしまう。
状況説明の言葉だけでも
充分感情はもちろん伝わりますが
感情そのものが
言葉になっていないんですね。
感情的に状況説明するのと
感情を言葉にするのとでは
似ているけれど別ものです。
特に気持ちの整理の上では
大きく違ってきます。
日常会話ではどっちでも同じように
感じられるこの小さな差が
カウンセリングの場では
けっこう重要で大きな違いを生みます。
悔しい気持ちが出てきて
思考がぐるぐるし始めてきたら
試しに声に出してみてください。
「悔しい」
「すごく後悔している」って。
自分でそう感じていることを
まずは自分で受け止めてみてください。
起こった出来事は変わらないですが、
自分のこころの中では
何かしらの動きが
生まれるんじゃないかと思います。
「悔しい」の感情の消化は
そこから始まります。
▼カウンセリングの詳しい話▼
カミヤカオリ