単語で止まる。
単語で止まっているだろうか。
特に感情の言葉を発するとき。
単語そのままで止まっていますか？
嬉しい。
むかつく。
悔しい。
楽しい。
なんでもいいけれど
「嬉しい（マル）」
で言葉を終えているだろうか？
”余計なもの” をつけずに
単語そのままで表現できているだろうか。
感情の言葉。
案外、そのまま単語だけを
ポンと置いておくことってできにくい。
つい言い訳や
他の考えをくっつけてしまいがち。
「すごく嫌だなと思うんです、
でも、相手にも事情があって･･･」
「頭にきたから言っちゃったんだけど、
後から大人げなかったかなと･･･」
「最初は喜んでいたんですけど
だんだん違うかな、って･･･」
感情の言葉を言ったあと
そのまま最初の気持ちのまま
置いておくことができない。
「すごく嫌だったんですよ！」
としばらく置いておいていいのに、
置いておけない。
あるいは、前置きという形で
現れることもある。
「リップサービスもあると思うんですけど
嬉しかったです」
「たまたまその時だけかもしれないですけど
イラっとしっちゃって･･･」
とかね。
前置きとか言い訳とかをつけてしまう。
感情の言葉をそのまま置く。
これがなかなかできない。
なんなんだろうね。
これは多くの人にとって
難しいことらしい。
もちろん、私にとっても。
セッション中だけでなく
日常会話の中でもそうだけれど、
ひとたびそのことに意識を向けると
”置いておけない” 人の多さに
びっくりするのではないかと思います。
感情は扱いづらい、とは
よくいうけれど
こういうところに現れているんだよな
なんて思います。
感情をどのくらい
そのまま置いておけるか。
それはそのまま
感情をどのくらい受け止められているか
に通ずるような気がします。
自分の感情を
どのくらい受け止められているだろうか。
感情を言い訳したり
感情に前置きをつけたり。
そんなことしなくていいのに。
もちろん、
いくつかの感情を同時に覚えることはある。
悔しい、けど感謝している、とか。
悲しい、けどほっとしている、とか。
嬉しい、けど怖い気もする、とか。
相反する気持ちをもつことって
誰にでもある。
たとえそうだとしても、
一つひとつの感情を
一つひとつ別の感情として
一つひとつ扱うことはできるはず。
一つひとつ扱うとは、例えば、
一つひとつにマルをつけて
一旦その感情に留まる、ということ。
「すごく嫌だなと思うんです、
でも、相手にも事情があって･･･」
これだと感情表現というよりは
事情説明になってしまっている。
感情を言語化しているけれど
体験になっていない。
感情に留まるとは
言葉にするだけをいうのではないのだ。
事情説明の ”ついで” に出てきた
感情の言葉は
サラサラ流れる川に浮かぶ葉っぱのように
川面に浮かんだまま流れてしまう。
もっと一つひとつ丁寧に
感情の動きをみていったら
もっと違うものが見えてくるはず。
感情の言葉に留まる。
事情説明の川に流れていかない。
居心地の悪さを感じるなら、それは
それだけ普段から留まらずに（留まれずに？）
過ごしているということ。
自分の現在位置を知るだけでも
何か変化が起こるんじゃないかな。
一つひとつの感情を
軽んじず、ないがしろにせず
どれも大切なものとして
一つひとつ受け止めていく。
試しにやってみると
びっくりすると思いますよ。
ふだん、どれだけ自分が自分の感情を
雑に扱っているか、
避けているか、
無きものとしているか、を知って。
感情を味方につけるなら、
まずは相手のことを知らないとね。
感情と仲良くなろう。
案外、いいやつですよ(笑)。
カミヤカオリ