ひとつの物差しでは聴いていない

多くの人は
ネガティブな感情を出すことを恐れている

･･･ように見える。

愚痴は言わないほうがいい
感情は出さないほうがいい
ぐじぐじ悩まないほうがいい

・・・まぁね。

確かにそうせずに済むなら
そのほうがいいのかもしれない。

明るく前向きでエネルギーに溢れるほうが
自分も周囲も心地よいもの。

だけど。

一時の心地よさのために

自分が本当に感じている何かを
閉じ込めるのは

たぶん、却って遠回りになる。

『本当のこと』は
『本当に感じていること』からしか
生まれないんじゃないかな、と思う。

自分の中にある本当の気持ち。

それがたとえネガティブと
呼ばれる種類のものであったとしても

存在まで否定してしまうと
正しい現在位置からスタートできない。

いまどこに
どういう気持ちでいるのか。

そして、どのようないきさつで
そこにいるのか。

私たちはそれを知ることに
意味を見出しているから

ネガ・ポジという

ひとつの物差しでは聴いていない。

大丈夫。

訓練された心理士は
一見ネガティブに見えるものに

とても大切なものが含まれていることを
ちゃんと知っています。

ネガとかポジとか気にせずに
遠慮なく話してほしいな。

まぁ･･･

そういわれて出せるくらいなら

苦労はない、

という面があるから

物事はそう単純ではないけれど。

ネガティブなことも
ポジティブなことも

選別せず話していくうちに
取り組むべき真の狙いどころが
見えてきます。

真の狙いどころを見つける。

それにはいろんな方法
いろんなルートがあると思うけれど

その一つに
『引き出しの中身をまずは出してみる』
があるのだと思います。

引き出しの中には

ネガティブなものも
ポジティブなものも
分類できないものも

それこそいろんなものがあるよね。

無数のあれこれが
しまわれた引き出しの中では

「いつか見つけてほしい」と

静かにあなたを待っている ”誰か” が
いるかもしれません。

その ”誰か” に会いに行くには
ポジもネガも関係なく

その都度、現れた扉を
一つひとつ開いていくのだと思います。

だからね、
ネガとかポジとか判断せずに
一緒に眺めて行けたらいいなぁ、

などと思っています。

まぁ、いきなり全部出すのは
恥ずかしかったり気まずかったりして
（程度の差こそあれ）当然なので

ゆっくり、ご自分で
「話してもいいな」と思うところから
進んでいけばよいのだと思います。

愚痴でも
感情でも
出口の見えない悩みでも

出してみて何が見つかるか、
そこから始まるんだと思います。

一人で出すには