いやぁ・・・
寒くなってきましたねぇ。
11月が暖かかったせいか
急に冬を感じています。
さてさて、
11月の読書記録いきますか!
今回もいい出合いがありましたよ~。
『自分の軸で生きる練習
オックスフォード・国連で学んだ答えのない時代の思考法』
大仲 千華 著
読みやすく
「いいことが書いてあったな」
という印象は残っているのですが・・・
なんだか具体的なところは
忘れてしまっていて・・・
意味ないじゃん、の
ツッコミが聞こえてきそうです。
ごめん。
ほぉ~なるほどな~
と思うことや
あ、これいいな
と思うことがあったんですが・・・
(それはちゃんと憶えてる)
なんでしょうね、
どういうわけか記憶に残らなくて。
記憶の引き出しの
取り出しやすいところには残らなくても
どこかには残っているはず。
また別のタイミングで
出合い直しするかもしれないですね。
またその日まで。
『帰還兵はなぜ自殺するのか』
デイヴィッド・フィンケル著
古屋 美登里 訳
これね・・・私のスタート間違い。
自殺やPTSDに関する
科学読み物だと思ったんです。
専門家が一般向けに
自殺やPTSDの科学について
分かりやすく、読みやすく
読み物風に説明するような。
でも、違いました。
帰還兵の実態を描いた
ノンフィクションでした。
ノンフィクションなのか
ノンフィクション風なのか
最後までいまひとつ分からなかったのですが
但し書きが見当たらず
たぶんノンフィクションなのだろうな、
と受け取っています。
ホントはどうなのかな。
で。
原題は
”Thank you for your service”
ですから、
直訳すると
『従軍(=奉職)ありがとう』
『従軍に感謝します』
くらいの意味なのでしょうね。
戦場に入った当初
「最高にクール」
と戦闘現場に興奮していた
10代、20代の若い兵士たちが
どんどん ”壊れていく” 様子が
淡々と描かれています。
戦争が与えるダメージは
身体的な傷だけでなく
精神活動にも及び、
それは、本人だけでなく
パートナーや子どもたち、親、兄弟、
地域の人たちへと波及していく。
一人の ”主人公” を
時系列うに追う形式ではなく
複数の兵士と周りの家族、
帰還兵をサポートする専門職
部下を戦闘で亡くした上官
などなど戦闘現場から帰還した後の彼らと
彼らに関わるたくさんの人たちが
話の前後を入り乱れながら登場します。
よく言われることですが
戦争は終わっても
帰還兵には終わらない苦しみが続く
というその様子がよく伝わってきます。
「あれから何年も経つのになぜ?」
と理解しきれない周囲と
自分でも終わりにできない
(しかもそれに自分でうんざりしている)
ギャップに苦しむ様子。
出口のない絶望感。
苦しみに引き比べて
たいして感謝もされていない(と感じる)現実に
圧倒的な無力感と孤独感・・・。
戦争なんて
ホントやめりゃーいーのに、
と心底思います。
こんなにツライ思いをする人を生んで
何があるというのだ。
帰還兵を英雄視するなんて
なんて無邪気なんだろう。
いや、英雄視するような雰囲気を
作り出しているとしたら
それがどんなに暴力的な行為か
理解すべきだ。
世界のリーダーは
暴力に訴えない問題解決の方法を
もうそろそろ
本気で考えなければならない。
いや、考えるのではなく
実行しなければならない。
いい加減にせい!
『虐待が脳を変える
脳科学者からのメッセージ』
友田 明美・藤澤 玲子 著
おもしろかったです。
一般向けにしては
やや難解だな・・・とは思いましたが
大事なこと(出典とか)は
端折らずに丁寧に書いてあるので
「あのことを言っているのだな」
「この点を指摘しているのだな」
と心理士の視点で読んでも分かるので
安心感があります。
専門書と一般書の間くらい、
ポップ心理学やら
流行りの啓発本では飽き足らない
もっとしっかり学びたい、
という方向けのイメージです。
・・・と思ったら
あとがきを最後に読んで納得、
そのような読者層をイメージして
書かれた本だったようです。
ですよね(笑)。
研究者というだけあって、
総じて
「なぜなのか」
「何が起こっているのか」
に多くが割かれていて
「ではどうしたらよいか」
は少なめです。
まぁ、そうですよね、
「ではどうするか」は
臨床家の仕事ですから。
こういう裏付けを知る事によって
「愛」とか「情熱」に逃げない支援が
できたらいいなぁ、と思います。
専門家が愛やら情熱やらを持ち出すのは・・・
反則だと私は思ってますので(笑)。
特に関係者を説得したり
教育したりする場面で持ち出すのは
相手に反論の余地を奪う
追い詰める行為になりかねません。
誰にとっても愛も情熱も大事で
手に入れたいものであり、
与えたいもので、正義です。
間違ってるとか
不足してるとか
欠けているとか
言われたくないことなんです。
その気持ちを利用してはいけない。
絶対的な正義に基づいた
安全な立ち位置から言ってはいけない。
だからこそ、
科学的な裏付けと、具体的な支援で
支えられたらな、と思います。
あ、それと、この本に出てくる
「マルトリートメント」の概念が
広まるとよいな、と思います。
不適切養育、などと
訳される場合が多いようですね。
私は必要な場合に
『虐待未満、一時的な不適切ケア以上』
と説明しています。
この本は
一般にイメージされる虐待よりも
少し広い範囲を対象に説明しています。
毒親
なんて言葉がありますが
その辺りに関心がある方には
ヒントがあるかもしれません。
・・・というわけで
11月もいい出合がたくさんありました。
みなさんにはいい本との出合い、
ありましたか?
12月も読んでいます。
流行りのアレも読んでみたりして・・・。
お楽しみに!笑
カミヤカオリ