八十歳の壁を越えて、読書「生きなおすのにもってこいの日」田口ランディ著 | pikoのブログ :読書は楽しい, アートに生きよう!

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「生きなおすのにもってこいの日」 田口ランディ著 バジリコ(株) 2009年9月30日発行

 

23編のエッセイ集

 

田口ランディさんは家族関係の悩みを抱えて生きて来たことを

 

赤裸々に語っている。

 

そしてそれをテーマに小説も書いている

 

田口ランディさんは、感受性が強く、情緒を表現する文章力があるので

 

読んでいて引き込まれる

 

世の中の暗い面に目が行くのはその情緒の豊かさから来るのだと思う

 

最期にはどんな事にも肯定的に捉えているので読者は救われる

 

 

「インターネットがなかったころ」より

 

   ―幼児期の問題を解決するためには長生きをするしかない。だから私は

    だまされたと思って四十歳まで生きてくださいと若い人に言う。

    幼児期の特に親の問題と向き合うためには自分が四十歳くらいに

    老いないことには無理なのである。若い時は、どんなに親を理解した気に

    なってもやっぱりわかっていない。私の場合はそうだった

 

「ビョウキのご家族を持つみなさへ」より

 

   ―あがき、もがき、迷いながら、日々を生きていく。ただそれこそが

    生きているってことだ。そのなかに喜びも悲しみもある

    そのダラダラした日常を一人味わうってことが生きるってことなのだ

    絶望しようと、解脱しようと、それはその人にとって意味があることで、

    私は私、人は人、それぞれの道を歩くしかないんだ

    ビョウキの人は毎日真剣に生きることを考えています。それが生きて

    いるってことなんだと思います

 

 

私は今、Youtubeで話題になっているペルーの幻覚キノコ「アヤワスカ」の儀式に

 

参加した日本人の話に興味を持ったが、田口ランディさんも既に体験していた

 

 

「カオスに生きる」より

 

   ―ウアウトラにはマサテコ族というインデオが住んでいて、とても静かに暮らしています

    落ち着いた美しい街です。マサテコ族は数百年の昔から、幻覚キノコによる

    治療を行ってきました。ウアウトラの幻覚キノコは春夏秋冬の季節によって種類が

    違い、その治療効果もメキシコ一と言われています。国から国家資格を与えられた

    シャーマンだけがこの幻覚キノコを使った治療に携わることができるのです

     シャーマニズムというのはとても怪しげに響くことばですが、私がこれまで体験した

    沖縄、バリ、アイヌ、メキシコのシャーマンのセレモニーはほとんどが治療と鎮魂の

    目的であり、祈りを通して人間の凝り固まった認識をほどく役割をしています

    「世界とは決まった秩序のもとに限定されているものではなく、ただあなたの考えが

    世界を固定しているだけなのだ」ということをさまざまな体験をもとに気づかせて

    くれる存在でした。ウアうトラでも二人のシャーマンで出会いましたが、いつも

    響くのは彼らの太陽と空と大地と生命、それら所有不可能なものへの感受性と

    感謝の深さです

 

 

幻覚キノコは治療にも使われていて、特に鬱病に効果があると言われ、世界中から

 

「アヤワスカ」を使って、シャーマンによる儀式に参加する人が増えているようです

 

現在はホリスティック効果、スピリチュアルな目覚めを求めて行う人も多いようです