ヨーロッパ選手権(EURO2012)予選がおよそ5カ月のブランク(一部4カ月)の後再開されました。

今月は、2526日の両日と29日の2節が行われました。

今月の試合では、A組のドイツ、C組のイタリア、D組のフランス、E組のオランダ、G組のイングランド、I組のスペインと言った主要国が順当に勝ち点を伸ばしました。

この中で最も安定しているのは、ドイツとオランダです。

オランダは、ハンガリーとの連戦に連勝し、6連勝と他を寄せ付けない強さを見せています。

ただ29日のホームでの試合では3失点を喫し、53勝ちはしたものの、脆い面があることを垣間見せてしまいました。

ドイツは26日のホームでのカザフスタン戦に40と大勝しました。

これで5連勝となり、首位をきっちり守りました。

また、前回優勝のスペインは、25日の試合ではビジャの2ゴールでチェコに逆転勝ちし、29日の試合では、13でリトアニアに勝って、連勝を飾りました。

これで5連勝となり、危なげないように見えます。

が、ワールドカップ(W杯)優勝以降のスペインは、親善試合で大敗するなど、かつての強さに若干の陰りが見えるようにも思います。

これは、W杯後に主力選手の調子がやや落ちていることが原因だと思われますので、主力選手のコンディションが上がってくれば、世界1の実力を発揮するようにはなると思います。

しかし、それが連覇に繋がるかどうかは、これからの戦いぶりにかかっているでしょう。

そして、W杯では、期待外れに終わったフランスとイングランドは、フランスが25日、イングランドが26日に共にアウエーで02と勝ち、フランスは首位を堅持し、イングランドは得失点差ながら首位に浮上しました。

しかし試合内容は対照的なものでした。

イングランドは、ウェールズにほとんど付け入る隙を与えずに圧勝しました。

相変わらずの得点力不足に悩んでいますし、この試合から不倫騒動でキャプテンを退いていたテリーがキャプテンに復帰し、これまでキャプテンだったリオ・ファーディナンドがこれに不満を持つなどのチーム内のごたごたも解決していません。

しかし、期待の若手であるウイルシャーがランパードとのコンビでウェールズの中盤を抑え込む活躍を見せるなどの明るい兆しも見えています。

一方のフランスは、初戦のアゼルバイジャンとのホームゲームに敗れた後は4連勝を飾りW杯以来の不振からは抜け出しつつあるかに見えます。

しかし、アウエーとは言え、アマチュアの選手ばかりのルクセンブルクを相手に2点しか取れなかったことは、まだチーム状態が良くなったとは言えそうにはないことを物語っています。

この試合のフランスは1トップにベンゼマ、攻撃的MFにはリベリーとマルーダを両サイドに、トップ下にナスリ、そして守備的な位置にグルクフと、名前だけを見れば世界最強のスペインにも引けを取らないメンバーを揃えました。

このメンバーを見れば、大量得点での圧勝を誰もが予想するはずです。

それが、選手間の連携の悪さやゴール前での正確さを欠いて低調なパフォーマンスに終始してしまいました。

特に、リベリーとマルーダの調子が悪かったことが、このような不満足な結果となった主な原因だと思われます。

リベリーは、試合終了間際には本来の調子を取り戻し、2点目の起点となるなど、実力の片鱗は見せましたが、調子が出るのが遅過ぎて、まだまだ不満足と言う印象は否めませんでした。

このように、強豪国が比較的順当に勝ち点を積み重ねて、順位争いと言う点では面白さに欠けるここまでの展開ですが、そんな中で混戦なのがB組です。

この組は、ロシア、スロバキア、アイルランドの3チームが勝ち点10で首位に並び、アルメニアが8でこれを追っています。

26日の試合ではアイルランドとスロバキアが勝ち、ロシアとアルメニアの直接対戦はスコアレスドローに終わりました。

これまでも、ロシアとアイルランドは強豪の一角を占め、このグループでも中心となることは容易に予想できますし、昨年のW杯・南アフリカ大会に出場したスロバキアが、この両国に肉薄することもある程度考えられることでした。

しかし、アルメニアがトップ争いに絡んでくるとは誰も予想しなかったでしょう。

このグループは、圧倒的な強さを誇るチームがないだけに、今後も混戦が続く、最もスリリングなグループとなっていきそうです。

EURO予選はほぼ半分を消化しました。

次節は6月に行われます。

予選はここから激しさを増していくと思われますので、今後の試合が楽しみです。